手元現金の価値 – バフェットの手紙より
2010年 3月 8日
危機のさなかの2008年・2009年に360億ドルの株投資。今年に入っても鉄道大手を買収ー。荒れる市場にも立ちすくまず、バフェット氏は果敢に投資してきた。「手紙」には、その背景・米経済の見通し・財務戦略などがつづられている。ROEや負債をもとに「日本版バフェット銘柄」を探りつつ、投資に生かそう。
(日経ヴェリタス2010年3月7日2面)
【CFOならこう読む】
「見知らぬ人の好意に頼ることはしません。緊急事態の時にバークシャーでは、Too Big To Failを盾に、身を守ることはしません。どうしてもキャッシュが必要になった場合は、自社の手元流動性で最大限、その資金ニーズを満たすようにします。
さらに、グループの多種多様な事業から生まれる利益を元手に、手元流動性を常に補充していきます。
財務で最上級の強さを維持するためにバークシャーは法外な代償を支払っています。我々が通常、手元に保有している200億ドル超の現預金は現状、スズメの涙ほどの収益しか生まないからです。しかし、そのおかげで枕を高くして眠れます」
(前掲紙 バフェットの手紙より)
無目的にキャッシュを積み上げている日本企業の経営者の多くは、これを読んで我が意を得たりと手を叩いていることでしょう。
しかしバフェットと多くの日本企業の経営者との違いは、「バークシャーは法外な代償を支払っています」という認識があることです。そしてそのことについて株主に説明し、理解を求めていることです。
これは決定的な違いであると私には思えます。
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結局、経営者は株主の信任を得る必要がありますから、説明できるコストかどうかが全てなんですよね。日本の経営者も株主もその辺(コーポレート・ガバナンス)を全く理解していませんね。
しかし、もっと簡単に考えればわかることですが、ここで彼らが払っている法外なコストと言うのは、会社の抱えるリスクに対する保険料に他なりません。(資本がバッファーしているなんて、まだ寝ぼけたことを言っている日本人には理解できないでしょうが。)
>無目的にキャッシュを積み上げている日本企業の経営者の多くは、これを読んで我が意を得たりと手を叩いていることでしょう。
これはやや日本企業には当てはまることではないと思います。
バ―クシャー社は最近、鉄道会社を買収するまでは、損害保険会社、またはその再保険会社がメインのコングロマリットでした。フロートという責任準備金等キャッシュが必要な事業が多いことが特徴です。特に再保険事業はリスクが高いと言われています。
結果が同じでも、プロセスや理由は異なるものです。