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品川グランドセントラルタワーのCMBS、デフォルト回避へ

国内最大規模といわれる商業用不動産ローン担保証券(CMBS)が注目を浴びている。不動産市況の低迷が続き、2013年秋にも債務不履行に陥る懸念が広がっていたためだ。ただ独大手銀行デカバンクと日本政策投資銀行がまとめた協調融資で、債務の償還に必要な約2000億円の資金を確保できた。
(日本経済新聞2012年4月12日4面)

【CFOならこう読む】

「日本のCMBSは2005年から2007年にかけて、年1兆~2兆円規模のペースで大量に発行された。しかしリーマン・ショック後はCMBSの新規発行による借り換えが難しくなった。
2010年以降は裏付けとなるローンの返済期日が相次いで到来している。格付け会社フィッチ・レーティングスによると、期日までに償還されなかったケースは昨年末時点で約5割(残高ベース)に達した。2012年以降に集中する「最終返済期日」までに、担保不動産の売却や金融機関からのリファイナンスで償還資金を確保できないと、CMBSのデフォルトが相次ぐ恐れがある。」(前掲紙)

それだけに本件は、他のCMBSのデフォルト回避に向けた大きな1歩となるかも知れません。

それとは別の次元の話として、CMBS 投資の入口から出口に至るまで、高い透明性や予見性の確保に努めながら商品設計を行い、市場の再生を図る必要性は今後更に増して行くものと思われます。

投資家の投資意欲が顕著に回復してきた米国では、2011 年のCMBS 新規発行総額が約327億米ドル(出所:Commercial Mortgage Alert)に達したとのことです。その背景として、市場関係者が「CMBS 2.0」と呼ぶ新たなスタンダードを加味した商品設計を導入しているという事情が存在します。

日本でもCREFC(Commercial Real Estate Finance Council)により、CMBS の新たな商品設計の考え方が「日本版CMBS 2.0」という報告書の形で提示されており、参考になります。

【リンク】

「日本版CMBS2.0報告書の発表」

 

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フラット35「優遇金利を継続」

国土交通省は、独立行政法人の住宅金融支援機構が手がける長期固定金利型住宅ローン「フラット35」の金利優遇措置を来年以降も継続している方針だ。現在1%としている金利の優遇幅は縮小し、利用者の必要額に対して実際に借り入れられる比率を圧縮する。先行きに不透明感のある住宅投資を下支えする狙いがある。
(日本経済新聞2011年7月10日1面)

【CFOならこう読む】

昨日の記者会見で、国土交通省の池口修次副大臣は「フラット35」の継続を明言しました。「フラット35」は民間銀行から「民業圧迫だ」との批判も強いようですが、最低でも0.3%の優遇幅は残すとの意向を池口副大臣は示しています。

フラット35は、日本の証券化ビジネスの中で唯一活況を呈している分野であり、その意味で個人的には関心があります。

【リンク】

なし

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