実力主義で知られる野村ホールディングスで、女性社員の道を切り開いてきた。3年前に最年少の役員に昇格し、今回はグループの野村信託銀行の社長職に抜てきされた。
(日本経済新聞2014年3月11日2ページ )
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「任される信託銀行業は野村にとって拡充が必須。個人向け証券営業は断トツのシェアを握るが、顧客の高齢化も進む。「銀行や信託の機能を活用して相続ビジネスなどに取り組みたい」。「稼ぐ部門」への復帰に腕が鳴っている。」(前掲紙)
優秀な女性が真保氏の後に続けるように、国を挙げて女性が働く環境を整えて行く必要があります。
先日子育て支援策について書きましたが(http://cfonews.main.jp/cfonews/?p=6931)、少子化対策のためだけでなく、
女性が働く環境を整えるためにも充実させて行く必要があります。
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宇宙はシビアな環境なので、危機管理がとても大切です。すべてのリスクをなくすのは無理なので、トラブルに応じた対応方針を事前に決めます。機械の故障でも即時修理の必要性など優先順位をつけて対応します。
(日本経済新聞2014年2月1日 NIKKEIプラス1 11ページ 私のひきだし 野口聡一さん)
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「重大トラブル時は明確で、まず飛行士の生命、次に国際宇宙ステーション(ISS)、実験です。どれかを放棄すべき局面でも迷いません。」(前掲紙)
短い時間の中で対応方針を決定しなければならないので、迷っていてはすべてを失うことになりかねない、ということなのだと思います。翻って、企業経営における優先順位はどうなるのでしょう。債権者、株主、従業員、地域、ブランド・・・、何が最も重要かと言われても判断に迷います。ましてや企業経営の場合、カウントダウンがあるわけではないので、明日は何とかなるかもしれない、来年はきっとよくなる、と意思決定を先延ばしにしがちです。
宇宙では、飛行士の生命が最も大切、これは至極当然と思います。
企業経営において最も重視すべきは、「企業価値の最大化」であると考えます。そのことは企業が危機に瀕していても変わらないのではないでしょうか。例えば、継続企業価値が清算価値を下回れば、企業は清算すべきです。早めに手をうつことで従業員は転職活動ができますし、債権者は一定程度の債権の保全が可能になります。
従業員を路頭に迷わせるわけには行かないと経営者がいうのを聞くことがありますが、飛行不能な宇宙船にいつまでも従業員を縛り付けることほど罪深いことはないのでは。
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台湾の李登輝元総統は16日、台北での講演会で語った。昨年は体調を崩すこともあったが、
15日で91歳となり、意気軒高な姿を見せた。
(日本経済新聞2014年1月17日6ページ )
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「日本の旅館のサービスを例に挙げ「日本が世界から評価されているのは(人材)教育だ」と指摘」(前掲紙)
李登輝氏が例に挙げているのは、日本でも有数な一流旅館なのでしょうが、サービス業における従業員の質が高いのは人材教育の賜物という指摘は当たっているように思います。そうであるなら、サービス業こそが更なるグローバル化が期待される業種であると考えられます。
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経団連は14日、会長・副会長会議を開き、米倉弘昌会長(76)の後任に、元副会長で東レの榊原定征会長(70)を起用する人事を正式に決めた。米倉会長は会議後の記者会見で「卓越した経営手腕と豊富な経済界での経験がある」と榊原氏を選んだ理由を説明した。6月3日の定時総会をへて就任する。法人税制改革や中韓との経済交流の推進など、課題を抱えたうえでの船出となる。
(日本経済新聞2014年1月15日5ページ )
【CFOならこう読む】
「「まずは経団連副会長などの役職者から考えるべきだと思う」。昨年6月、任期の最終年に突入した米倉弘昌会長は後継人事について、こう発言していた。だが筆頭副会長で、衆目の一致する「大本命」だった日立製作所の川村隆会長が固辞したことで、旧態依然の慣習は期せずして崩れた。
中略
「会長にはもっと若い人がなるべき。私はその任にはない」。当時73歳の川村氏はこの後、米倉会長に手紙まで書きつづり、固辞の姿勢を鮮明にした。そして11月、再度川村氏から「NO」の答えを聞くと、米倉会長はトーンダウンした。」(前掲紙)
会長人事が難航したのは、まさに経団連の存在意義がかつてほど明確ではなくなっている証左だと私は思います。
経団連の会長は、製造業を営む大企業の経営者でなくてはならない、売上高1.6超円の東レですら事業規模が小さいと言われる、この事実が、経団連を時代を担う日本の民間企業の代表と位置付けるべきではないことを物語っています。
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来年の日本経済を考えるうえでも、「神話」には注意が必要だ。例えば、「日本の現場は優秀」との見方は強いが、過信するとリスクもある。「中小企業の重要さ」「消費者の品質志向」などを巡っても思い込みは根強い。データや根拠に基づき、批判的な精神を保つことが重要だ。
(日経ヴェリタス2013年12月22日51ページ 異見達見 川本裕子早稲田大学教授 )
【CFOならこう読む】
最近、日本はやっぱ最高、といった類いな本が売れていると聞きます。
そういった本には、日本の良いところとして、「日本の電車は遅れない」ということが挙げられています。
これも「神話」のひとつではないでしょうか?
しかし本当にそうでしょうか?
電車の相互乗り入れが進んだ結果、遠くで起きた遅れの影響を受けてこっちの電車が遅れるということが増えているように感じます。
また事故で長時間止まる、ことも日常的に発生しています。
安全確認のためしばらく停車します、といった内容のアナウンスもよく聞きます。
仮に「日本の電車が遅れない」ことが真実だとして、それは無条件に誇るべきことなのでしょうか?
英国でもドイツでも遅れるのが普通なのに日本では遅れないとしたら、それは何かおかしいと考える見方も必要です。
経済面から考えても電車が遅れないようにするためにかかるコストは相当なもののはずで、それを超えるメリットがどこにあるのかわからない、といえばわからない。
そもそも”電車が遅れて”、という言い訳が通用しない国より、多少遅れてもギスギスしない国の方がよい、と感じる人も多いのでは。
だとすると、「日本の電車は遅れない」という「神話」にも少し用心が必要です。
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中国で「B株」と呼ばれる外国人向けの株式市場から上場企業が退出し始めた。
中国コンテナ大手が売買の少ないB株の上場を取りやめて取引の活発な香港上場の株式に転換する方針を決めた。中国では1992年、外国人向けにB株市場を創設したが近年は売買が激減しており、B株の退出が相次げば市場自体がなくなる可能性もある。
(日本経済新聞2012年8月24日6面)
【CFOならこう読む】
「B株の売買が低迷している理由は、香港市場が強力なライバルとして台頭してきたことが大きい。外国人が自由に売買できる香港市場には、1993年の青島ビール以降、中国本土の優良企業が相次いで上場した。特に2000年代半ばからは、銀行や石油、通信といった大型国有企業が次々と登場したため、相対的にB株の存在意義は薄れていた」(前掲紙)
アジアにおける香港市場の重要性が増しています。折しも東証による大証のTOBが成立した昨日、大証の米田社長が、
「大証と東証の全社員が一丸となり『アジア・ナンバーワン』の取引所を目指していかなければ、経営統合の意味はない」
(日本経済新聞2012年8月24日4面)
とコメントしましたが、すみやかに東証・大証が融合した上で、真にグローバルな市場を目指し動き出してもらいたいものです。
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AIJ投資顧問による年金消失問題で、証券取引等監視委員会は12日、同社の勧誘取引について金融商品取引法違反(契約に関する偽計)の疑いが強まったと判断、検察への告発を担当する特別調査課に専従班を置き、今月下旬にも強制捜査の乗り出す方針を固めた。
(日本経済新聞2012年3月13日1面)
【CFOならこう読む】
「AIJが業界団体「日本証券投資顧問業協会」に提出した資料によると、同社は2006年3月末時点で企業年金や事業法人、学校法人と61件の投資一任契約を結び、運用資金は645億円だった。
その後、急速に契約件数を伸ばし2008年のリーマン・ショックによる株価急落にもかかわらず、2009年3月末の契約件数は125件と倍増。2011年9月末も127件に増えた」
(日本経済新聞2012年3月13日39面)
騙す方が悪い。圧倒的に悪い。
が、騙される方も悪い。というより基本的な投資教育を受けている人であれば、このような詐欺に引っかかることはないでしょう。
企業年金、事業法人、学校法人の担当者は、それなりの資質を備えているのでしょうか。最低限の勉強はしている(させている)のでしょうか。今回の事件を契機にこの面からの調査も行ってもらいたいものです。
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入学時期の見直しを検討していた東京大学の懇談会が、学部の春入学を廃止し、国際標準である秋入学への全面移行を求める中間報告をまとめたことが17日わかった。入学試験は現行通り春に行う。国際化の推進と、入学前の学生に多様な経験を積ませることなどが狙い。中間報告は早期実現を求めており、東大は学内論議を活発化させ最終方針を決める。
(日本経済新聞2012年1月18日1面)
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「中間報告が、他大学の入学時期や企業の採用活動、国家試験の実施時期などの議論に一石を投じるのは確実で既に一部大学に追随の動きがある」(前掲紙)
日本がグローバル化していくためには、大学がグローバル化していくことが必要条件になると思います。いずれにしても、今のようにクラスのほとんどが日本人という大学は、この先、生き残るのが難しいと思います。
ただし、当然のことながら秋入学にすればそれだけで世界中から優秀な学生が大挙して押し寄せてくるということは全くないわけで、真にグローバル化するためには抜本的な改革が必要です。
大学の組織というのも他の日本の組織同様とても内向きですので、自ら変わるということはないように思います。したがって学生や企業がブランド名に惑わされず、大学を厳しく評価することがとても重要です。魅力ある大学に変われた大学が正しく評価されれば、他の大学も変わらざるを得ないでしょう。
東大が変われば他も追随するという時代ではないと思います。
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12月6日に第三者委員会の報告書が公表され、「飛ばし」とその処理の全貌が明らかになりました。
この事件について、フィナンシャルタイムズが記事を掲載したのは、10月15日でした。私はこの記事を15日の朝に読み、これは大変な事だと感じ、ブログに取り上げようかとも思いましたが、15日は土曜日で所用で出かけなければいけなかったのと、すぐにマスコミが大きく取り上げるだろうから、それを待とう思い15日にブログで取り上げるのはやめました。
ところが17日(月)になっても毎日新聞以外の国内メディアはほとんど取り上げておらず、おかしな外人経営者が会社を滅茶苦茶にしようとしたのでクビになったとの既定路線で報道しているだけでした。私が17日(月)の朝、フィナンシャルタイムズの記事を一部翻訳し、ブログ(2011年10月17日「オリンパス、前社長『不明朗買収、調査で解職』」)にアップした時点でも、国内メディアの反応は薄かった。
しかし、私ですらフィナンシャルタイムズを読んで、ほぼ今回の第三者委員会の調査報告書が明らかにした事実を推測することができたわけで、大手マスメディアが事の重大性に気付いていなかったとは思えません。
明らかに初動が遅かった。それが何故であったのか。
国内マスメディアは自らの問題として徹底的に調査する必要があるのではないでしょうか?
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初来日した米著名投資家のウォーレン・バフェット氏は21日、投資先企業がある福島県いわき市で記者会見した。日経平均株価はこの日、年初来安値をつけたが、同氏は日本には長期的な競争力を持つ企業が多く、「投資魅力は失われていない」との見方を示した。
(日本経済新聞2011年11月22日3面)
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「30年後、50年後も成長を続けているような企業を探している」(前掲紙)というバフェット氏の投資スタイルはよく知られているところです。
しかし日本企業への目立った投資はなく(福島県に工場を持つ超硬工具メーカー、タンガロイはイスラエルの会社)、それなら「投資魅力は失われていない」などとおべっかを言うのではなく、せっかく日本に来たのだから、何故日本企業への投資がないのか、日本企業はIBMと比べて何が劣るのか、どう変われば投資するか、などについて突っ込んだコメントが欲しかったですね。
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