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2010 年 2 月 のアーカイブ

法人税下げ目指す − 古川内閣府副大臣

2010 年 2 月 27 日 コメント 1 件

内閣府の古川元久副大臣は26日、都内で講演し、法人税率について「できるだけ下げられるのであれば、下げられる方向を目指していきたい」と引き下げを目指す考えを示した。「日本の法人税制は租税特別措置なども多く複雑だ」と語り租特の見直しにも意欲を示した。
(日本経済新聞2010年2月27日1面)

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パチパチ。
全面的に賛成します。

連立与党内の同意を取り付け、早期の実現をよろしくお願いする次第です。

中小企業の税率引き下げだけでは駄目ですよ。
当然大企業の法人税率30%も引き下げて下さいね。

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なし

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長期金利1.3%割れ

25日の債券市場で、長期金利の指標である新発10年物国債利回りが心理的な節目の1.3%を割り込んだ。終値は前日比0.020%低い1.295%。1.3%を下回るのは12月末以来、約2ヶ月ぶり。市場関係者の間には、日米の景気の先行き不透明感がじわり浸透。安全資産とされる国債に資金が流入している。
(日本経済新聞2010年2月26日4面)

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「日本経済は二番底のリスクは回避しつつあるが、景気の持ち直しの動きが鈍くなる可能性がある。先行きの不透明感から民間・個人向けの貸し出しが伸びない銀行勢が、国債に余剰資金を振り向ける構図が続き、金利低下を促している。
世界の金融・資本市場では、国債増発に伴う財政悪化で、金利上昇を警戒する声が強まっている。日本も巨額の長期債務を抱えているが、国内投資家層の資金で国債を消化できていることから、足元では金利上昇につながっていない」(前掲紙)

国債の消化が順調に進んでいる理由を、文芸春秋3月号の「ついに国債破綻が始まった」で、野口悠紀雄氏は、「民間の投資支出が激減したため」であるとした上で、設備の更新が進まなければ生産力が低下し、財政は今後ますます細ると述べています。

さらに国債を国内で消化できる状況はそう長く続かない可能性があることを次のように指摘しています。

「国際通貨基金(IMF) は、昨年7月に発表した「カントリー・レポート」のなかで、このままのペースで日本の政府債務が増え続ければ、2020年頃に国債を国内で消化しきれなくなると予測している。
10年後だと遠い先のような気がするかもしれない。しかし、これより速いペースで国内消化が行き詰まることは、十分にあリ得る」(前掲誌)

国内で消化できなくなったときに何が起こるか。
野口氏はインフレと円安である、と断言しています。

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なし

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昭和シェル、減配発表で株価急落

24日の東京株式市場で昭和シェル石油株が商いを伴って急反落し、前日比9.9%安の629円で引けた。前日夕に2010年12月期の年配当を18円と前期比で半減させる方針を表明し、失望売りが膨らんだ。
(日本経済新聞2010年2月25日15面)

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「朝方から昭和シェル株は売り気配で推移。取引成立後も大引けにかけて売り注文に押された。大幅減配の理由は現在、1000億円を投じて宮崎県で建設中の太陽電池第3工場の投資負担が
今期から本格化するためだ」(前掲紙)

会社は減配の理由を次のように説明しています。

「利益配分に関しましては、当社の経営・財務状況、金融市場動向等を考慮しつつ、株主に対する安定的、かつ魅力的な配分を実現していくことと併せて、企業価値を最大化するために必要な中長期的な成長戦略を実現すべく内部留保の充実を図ることを基本方針としております。
平成22 年度においては、当社グループの成長戦略の柱である太陽電池事業への大型投資を実行する予定であります。これは、当社の中期経営ビジョン「EPOCH2010 ~変化に克ち、未来を拓く~」に基づき、能動的にビジネスモデルを構造的に変えることで、成熟する石油産業の中にあっても、最も高い経営効率を実現することを目的とするものです。
従いまして、中間配当としては1株当たり9 円、期末配当についても1株当たり9 円の年間配当1株あたり18円を予定しております」

つまり、将来の成長のためにいまは株主還元を減らすが、これにより内部留保した資金を新規投資に充てることで株主価値を創造し、将来的に株主に報いると言っているわけです。

従って、この投資が資本コストを上回るキャッシュを創造するなら、株価は下がらずむしろ上がると考えられるわけですが、実際には株価が下がる場合が多く見られます。

高配当政策が支持される現実的な理由として、Stephen A.Ross等の「コーポレートファイナンの原理」(きんざい)は、現金収入の要望、不確実性の解消、税のアービトラージ、エージェンシー・コストを挙げていますが、どれも決定的な理由ではないとしています。

「研究によれば、多くの企業は長期の配当支払政策をもっているようである。利用可能なキャッシュ・フロート比べ、ポジティブNPVプロジェクトが少ない(多い)企業は、高(低)配当支払を行なうだろう。加えて、企業は配当水準の変動を抑えようとする。配当の安定性と一定性には、多少の価値があるように見える」(前掲書)

いずれにしても配当政策を大きく変更するのは避けるのが賢明であるということです。

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2010年2月22日「業績予想および配当予想に関するお知らせ」昭和シェル石油株式会社[PDF]

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セブン&アイ・ホールディングスとイオンの苦闘

セブン&アイ・ホールディングスとイオンが苦闘している。国内消費の成熟を乗り越えようとM&Aなどで拡大路線を突き進んできた結果、ここへきてその非効率性が浮き彫りに。2007年2月期に営業最高益を記録した後は足踏みが続き、米タルボットの売却や西武百貨店の店舗閉鎖などに追い込まれた。収益力や財務力では差があるものの、「グループ力」のテコ入れが課題だという点は共通する。持株会社のあり方を含めた抜本的な経営体制の見直しが、待ったなしだ。
(日経ヴェリタス2010年2月21日14面)

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「イオンの上場子会社は17社と国内企業で最多。持分法適用会社は7社ある。海外でも子会社が4社上場している。かつては上場益を出店など成長投資に充てる前向きな目的もあったが、今では少数株主が増えたことで利益の社外流出を招くマイナス面が指摘されるようになった。前期末の少数株主持分は2,838億円で純資産の実に4分の1。税引後利益の約3割が少数株主利益として流出している。
中でも「本体との関係性が強く、完全子会社すべき」(国内証券)と指摘されるのが中核子会社のイオンモール。イオンモールの今期の予想純利益は前期比1%増の216億円で、イオン連結(75億円~150億円)を上回るグループ最大の稼ぎ頭だ。
(中略)
イオンモールを株式交換で完全子会社化すると、イオンの発行済株式数(約8億株)は約2割増えるが、それでも今期の1株利益は約18円~26円(のれん代償却を除く)とイオンの会社予想(9.8円~19.6円)より増える」(前掲紙)

イオンの2010年2月期の予想1株利益は、9.8円~19.6円。株価が924円(2月23日終値)なので、PERは47.1倍~94.2倍の水準です。一方、イオンモールの2010年2月期の予想1株利益は、118.71円。株価が1,620円(2月23日終値)なので、PERは13.6倍の水準です。

ところで、自社よりも低PERの会社を合併又は株式交換で買収すれば、必ず自社のEPSは上昇します(のれん償却費を計上しないと仮定した場合)。これはコングロの算術とも呼ばれ、1960年代にEPSの成長を目的に多数のコングロマリット企業群が誕生しました。

「もっともこうしたコングロマリット・ブームは長続きしなかった。財務会計ルールの不備と投資家の一時的な錯覚につけこんだコングロ企業のゲームのルールは、やがて投資家の気がつくところとなり、1960年代末には相場下落とともに馬脚を現し、成長の息の根を止められてしまった。しかし、わが国では、こうした財務会計指標の表面的な改善を重視したM&Aも非常に多いと思われる」(経営財務入門 井手正介/高橋文郎 日本経済新聞出版社)

完全子会社化は良いのですが、EPSが改善するからといって、価値が創造されることにはならないことに注意が必要です。

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なし

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子会社化に伴い連結貸借対照表に計上される無形固定資産 – パナソニック・三洋電機

パナソニックは三洋電機の子会社化に伴い約4500億円の無形固定資産を計上し、約10年で償却する方針だ。企業年金に関する費用減を考慮しても、営業利益ベースで年350億円程度の利益押し下げ要因となる見通し。両社は2013年3月期に営業利益で800億円の増益効果を引き出す方針。無形固定資産の減益分を補うためにも、電池関連事業の拡大などを早期に実行する必要がありそうだ。
(日本経済新聞2010年2月23日15面)

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「2009年12月末時点でのパナソニックの総資産は8兆6750億円。昨年12月に三洋電機を子会社化したことに伴い、昨年3月末に比べて2兆2717億円拡大した。資産の増加分のうち、のれん代は約5000億円、三洋電機の特許権や商標権などの無形固定資産は4500億円だった」(前掲紙)

米国会計基準では、子会社化に伴い識別できる無形固定資産を取得日の公正価値で認識します。

資産が識別可能であるためには、次のいずれかの要件を満たす必要があります(SFAS141R P3K)

「(a) 分離可能要件
企業の意図にかかわらず、企業から分離できる、分割でき、個々にまたは関連する契約、識別した思案、または負債とともに、売却、移転、ライセンス付与、貸付け、または交換できる能力がある資産
(b) 契約・法的要件
権利が移転できる、または企業から分離できるかどうかにかかわらず、契約上またはその他の法的権利から発生する資産」
(「M&Aの会計実務」長谷川茂男著 中央経済社)

具体例としては次のものがあげられます(SFAS141R PA31-56)

「マーケティング関連
・商標、商号、サービス・マーク、共同マーク、認可マーク
・トレードドレス(独自の色、形、パッケージ・デザイン)
・新聞名
・インターネット・ドメイン名
・競業避止契約
顧客関連
・顧客リスト
・受注残
・顧客との契約及び関連する顧客との関係
・契約によらない顧客の関係
芸術関連
・演劇、オペラ、バレエ
・書籍、雑誌、新聞、その他の著作物
・音楽(作曲、作詞、広告ソング)
・絵画、写真
・動画(映画、音楽ビデオ、テレビ番組)
契約関連
・ライセンス、ロイヤリティ
・広告、建設、管理、役務・商品購入契約
・リース契約
・建設許可
・フランチャイズ契約
・営業許可、放送権
・サービス契約(抵当回収契約)
・雇用契約
・利用権(採掘、水、空気、鉱物、伐採)
技術関連
・特許権を得た技術
・ソフトウェア、マスクワーク
・特許権が得られていない技術
・データベース
・企業秘密(秘密の製法、工程、レシピ)」(前掲著)

無形固定資産は、償却無形固定資産と非償却無形固定資産とに分離され、ともに減損テスト実施の対象となります。

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なし

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【資本政策詳解】アニコムホールディングス

アニコムホールディングスの株式上場の概要は次の通りです。

アニコムホールディングスは、2000年設立、ペット保険専業のアニコム損保など子会社の経営管理ならびにこれに付帯する業務を行っている企業です。

公募価格は2,000円、予想PER41.6倍というま高水準での株式公開となりました。但し直近のエクィティ・ファイナンスが4,000円(株式分割考慮後)で行なわれているので、この価格で引き受けたVC等は大きな含み損を抱えてのIPOとなります。売り出しを行なうのは三井物産1社のみです。三井物産の引受け価格は3,000円(株式分割考慮後)でした。

アニコムホールディングスの主な資本政策は (表2)の通りです。

普通株式と優先株式によりが資金調達を行なっています。優先株式は普通株式への転換権が付されていますが、特に価格差をつけず、普通株式と同じ価格で発行されています。
2005年4月から2006年3月にかけて4回のエクィティ・ファイナンスが行なわれていますが、この1年で価格を150,000円から800,000円まで一気に引き上げているのが特徴的です。

代表取締役社長の奥村氏は潜在株式も含め19.90%の株式しか保有していません。従業員のインセンティブは従業員持株会及びストックオプションによっています。また取引先持株会も設立しています。

アニコムホールディングスの株主資本は次の通りです。
(単位:千円)

決算年月 2008年3月期 2009年3月期
資本金 3,346,225 3,346,225
資本剰余金 3,236,125 3,236,125
利益剰余金 △ 2,302,921 △ 2,444,463

大きな累損を抱えてのIPOとなります。

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アニコムホールディングス株式会社

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金融庁、「株券等の公開買付けに関するQ&A」の追加(案)の公表

2010 年 2 月 20 日 コメント 1 件

KDDIによるケーブルテレビ最大手ジュピターテレコム(JCOM)への出資を巡り、TOB規制の課題が浮き彫りになった。KDDIは規制に引っかからないような枠組みで出資を計画。ところが金融庁にはこれが「脱法的行為」と映った。KDDIは結局、規制対象外まで出資比率を下げて19日に買い取ったが、規制を巡る解釈のズレが生じた。
(日本経済新聞2010年2月19日5面)

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「今回、浮き彫りになった論点の一つは、金融規制と民間の創意工夫とのバランスをどう取るかという点だ。企業や個人が法律を読み込んで問題がないと判断した取引が、行政のさじ加減でひっくり返されるのであれば、商取引そのものが萎縮しかねない」(前掲紙)

創意工夫といっても、上場会社の少数株主や一般投資家の利益を害するようなスキームはそもそも許されないと考えるべきです。そしてそのような行為が目の前で行なわれようとしているなら、金融庁がストップをかけるのは当然と僕は考えます。

ところで金融庁は15日に「株券等の公開買付けに関するQ&A」の追加(案)を公表しています。その中で次のように、資産管理会社の株式取得がTOB規制に抵触するとの解釈が示されています。

「問15 有価証券報告書提出会社の株券等の3分の1超を所有する資産管理会社の株式を取得することは、公開買付規制上、どのような問題がありますか(法第27条の2第1項関係)


当該資産管理会社の株式の取得は、形式的には当該有価証券報告書提出会社(以下この問において「対象者」といいます。)の「株券等の買付け等」に該当するものではありませんが、当該資産管理会社の状況(例えば、当該資産管理会社が対象者の株券等以外に保有する財産の価値、当該資産管理会社の会社としての実態の有無等)によっては、当該資産管理会社の株式の取得(結果的に当該資産管理会社を支配し得るようなものをいいます。以下この問において同じです。)が実質的には対象者の「株券等の買付け等」の一形態に過ぎないと認められる場合もあると考えられ、そのような場合に、対象者の既存株主等にその所有する株券等を売却する機会が与えられないとすれば、公開買付規制の趣旨に反するものと考えられます。したがって、そのような資産管理会社の株式の取得は、公開買付規制に抵触するものと考えられます。」

【リンク】

株券等の公開買付けに関するQ&A[PDF]

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白川日銀総裁、国債下落のリスク警戒 日本の財政は"深刻な状況にある"

日銀の白川方明総裁は18日、金融政策決定会合後の記者会見で「財政の持続可能性に関する市場の関心が世界的に高まっている」と述べた。財政の悪化が国債価格の下落につながるリスクを警戒する構えをみせた。金融政策については「財政ファイナンス(国の資金調達)を目的としない」のが重要だと語り、長期国債の大幅な買い増しに慎重な姿勢をにじませた。望ましい物価上昇率を明示する「インフレ目標」の設定には難色を示した。
(日本経済新聞2010年2月19日5面)

【CFOならこう読む】

日銀総裁のことばは、一般の人にわかるようなものでなくてはならないと思うのですが、そういう姿勢は感じられませんね。またマスコミは正しくわかりやすく伝える義務があると思いますが、その責務を果たしているとは思えません。

「国債価格の急落を防ぐには、各国が「財政再建の道筋を示し、市場の信認を確保する」のが欠かせないと強調した。「金融政策運営が財政ファイナンスを目的としない。そうした姿勢を政府が尊重し、市場が信認する」ことが必要だとも語り、間接的な表現で国債の大幅な買い増しに慎重な姿勢をにじませた」(前掲紙)

国債の大幅な買い増しが何故まずいのか?

それは大きなインフレにつながる可能性があるからです。

文芸春秋3月号に、野口悠紀雄氏の「ついに国債破綻が始まった」という論稿が掲載されています。その中で野口氏は、1930年代に高橋是清蔵相が日銀引受けによる国債発行を行なったことにより、4年間で物価が60倍上昇したことを紹介した上で、このようなことが起きないように、財政法5条が日銀引受け国債発行を禁止しているが、これが形骸化するリスクを次のように指摘しています。

日銀は、銀行が保有する国債を買い上げることができる。これは市中に資金を供給する方式の一つであり、そのこと自体が問題であるわけではない。しかし、もし政治からのプレッシャーを受けて日銀が国債買い取りを増せば、実質的に直接引受けと似た効果が生じる(現在日銀の国債保有残高は68兆円である)

“金融政策運営が財政ファイナンスを目的としない”とは、このようなリスクを回避する姿勢を日銀として言明しているわけです(要するに当然のことを言っているだけです)。

白川総裁はさらに次のように話しています。

「インフレ目標を巡っては「採用しているかどうかは、意味のある論点ではなくなってきているという印象がある」と指摘。「物価動向だけに過度の関心が集まる結果、物価以外の金融・経済の不均衡が見過ごし、金融危機発生の一因になったのではないかという問題意識が高まってきている」との認識を示した」(前掲紙)

これは要するに金融緩和が世界的なカネ余りを生み、それでバブルが生まれたと言っているのですね。

日銀というのは、下手すりゃインフレを起こし、国民が身ぐるみはがされる可能性もあるような仕事をしているのだから、そこの総裁たるもの、何をどう考え、どういう施策を打とうとしているのか、一般の人にわかるように説明してもらいたいものだと、切に思います。

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内部留保へ課税検討

2010 年 2 月 18 日 コメント 2 件

鳩山由紀夫首相は17日、首相官邸で記者団に大企業の内部留保への課税、所得税の最高税率引き上げ、証券優遇税制の見直しなどを今後の税制改正で検討する意向を表明した。内部留保への課税検討の背景には民主党の「雇用重視」の考え方がにじむ。だが、安易に導入を進めれば、逆に大企業の海外逃避を招き、日本の雇用が減る恐れが
ある。
(日本経済新聞2010年2月18日3面)

【CFOならこう読む】

内部留保って言ったって、すでに償却資産に投資されている部分を取り崩すことなんて出来ません。そういう基本的なことが鳩山さんや共産党の方々は分かっていないのではないでしょうか?

問題とすべきは、無駄な投資や無目的に積み上げられるキャッシュですが、それをチェックするのは市場の仕事です。市場の規律が働くよう、市場ルールや法制度を変えて行く必要があることを、このブログでも繰り返しお話ししています。

少なくとも首相たるもの、市場を軽視するような発言を慎んでもらいたいものです。

雇用拡大が緊急の課題であることは論を待ちません。
国がやるべきこともたくさんあるとは思います。
しかし、それは増税という方向性ではなく、減税等の施策により外国企業も含め日本を拠点にする企業を増やす方向性が重要だろうと僕は思います。

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KDDI、JCOM株買い増さず

KDDIの小野寺正社長は16日、訪問中のスペイン・バルセロナで日本経済新聞記者と会い、同社が31.1%出資予定のCATV最大手ジュピターテレコム(JCOM)については「株を買い増して3分の1超を持とうという意思は全くない」と述べた。KDDIに対抗してJCOM株のTOBを発表した住友商事については「大株主同士が協調した方が企業価値の向上につながる」とした。
(日本経済新聞2010年2月17日11面)

【CFOならこう読む】

最大40%の持分比率を目指す住友商事のTOBがどうなるかはわかりませんが、住友商事とKDDIが筆頭株主を巡りTOB合戦を繰り広げる、というような可能性はなくなりました。

ところで、人材サービスのジェイコムホールディングス株の売買高が昨日急増しました。

「売買高が100株を超えると大商いとされる小型株だが、この日は2400株を超えた」
(日本経済新聞2010年2月17日16面)

2005年に大量誤発注事件がありましたが、あのときに間違った注文が行なわれたのがジェイコム株でした。ジェイコムホールディングスとジュピターテレコムは当然のことながら全く異なる会社ですが、

「JCOM株と間違えたとの見方が出ている。目先筋がそれを分かりつつ追随してサヤ取りを行っている可能性もある」
十字屋証券投資情報室長の岡本征良氏

との見方もあるようです。

ブルームバーグの記事↑にもジェイコム広報担当により「これまでにジュピターテレコムと間違えてアナリストが訪問してきたこともある」とのエピソードが紹介されています。

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