業績低迷時の資金調達

電機8社、自己資本13%減

電機・自動車大手の財務体力が低下している。二〇〇九年三月期に巨額の連結最終赤字を計上する企業が相次ぎ、株主から預かったおカネである自己資本が減少する。赤字の影響だけで、大手電機八社は一三%、赤字予想の自動車四社でも四%の自己資本が期初比で減少する計算だ。財務が傷むと社債発行などの資金調達が難しくなり、構造改革に必要な体力も乏しくなる。収益力の早期回復に加え資本増強へ向けた手だてが必要になる。
(日本経済新聞2009年2月24日9面)

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株安と円高が財務悪化に追い打ちを掛ける。保有株の価値減少や円高による海外資産の目減りをバランスシートに反映するためだ。期初に1兆円強あった東芝の自己資本は、2800億円の最終赤字などで期末には5000億円強とほぼ半分になりそうだ。
(中略)
自己資本の減少は経営の足かせとなる。最も影響が大きいのは資金調達だ。日立や東芝は赤字発表後に格付けを引き下げられた。格付けが下がると発行する社債などの信用が低下する。利率を高くするなど魅力を高めないと投資家は社債を購入しないため、調達コストが重くなる。銀行から資金を借り入れる際にも金利が上昇しやすい。

資本の毀損には、資本の増強で応えるしかありません。

ですが、普通株式の新規発行はダイリューション(希薄化)につながるため、株価への影響を考慮すると難しい面があります。

こういう場面では普通株への転換権が付されていないハイブリッド証券の発行を検討してみてはどうでしょう。

最近では東洋紡のケースが参考になると思います。
2009年2月17日記事「東洋紡 ハイブリッド証券で220億円調達」

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