ダヴィンチ傘下のSPC、ビル担保融資(ノンリコースローン)債務不履行

ダヴィンチ・ホールディングスは28日、参加のSPCにおいて約137億円の棚卸資産評価損を計上する見込みと発表した。SPCが保有する大型オフィスビルを担保とするローンが返済できず、債務不履行(デフォルト)になったため。連結純利益への影響額は評価損のうち同社の出資割当相当分の約23億円となる見通し。
(日本経済新聞2009年9月29日16面)

【CFOならこう読む】

「デフォルトしたのは2006年に約2000億円で取得した都心の大型ビル「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」を担保とするノンリコースローン。取得額のうち今回の評価損分を差し引いたかなりの部分がローンによる調達とみられる。不動産市況の低迷で同ビルを適正価格で売却することが困難になったため、先週末の返済期日を前に債権者とローン期限延長に向け協議を行っていたが、合意に至らなかった。ビルの持ち主は債権者に移る」(前掲紙)

「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」を保有するのは子会社の合同会社ボンダイです。

ボンダイの平成20年12月期の財務状況は次の通りです。

20090929

デフォルトに伴い、ビルの取得価額とノンリコースローンの差額だけ損失計上が行なわれるものと思われます。出資分については、純資産が0なので、すでに連結決算上は損失処理されています。

なおこのニュースを受け、昨日ダヴィンチ・ホールディングスの株価はSTOP高をマークしました。悪材料は出尽くしたということなのでしょう。

【リンク】

2009年9月28日「子会社における棚卸資産評価損の計上に関するお知らせ」株式会社ダヴィンチ・ホールディングス[PDF]