独占禁止法改正案ー中小企業の合併前の届出を免除

大型合併の審査を重視 独禁法改正案27日閣議決定

政府は談合やカルテル行為への罰則強化などを盛り込んだ独占禁止法の改正案を27日に閣議決定し、今国会に提出する。昨年の通常国会では成立せず、廃案になった経緯があり、今回は新たに大型の合併審査を重視する半面、中小企業の合併前の届け出を免除する内容も盛り込んだ。ただ焦点になっていた「審判制度」の見直しは政府・与党内で調整が付かず、2009年度に先送りすることにした。
NIKKEI NET2009年2月27日

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独占禁止法は、会社の株式の取得・所有、役員兼任、会社以外の者の株式の保有又は会社の合併、共同新設分割若しくは吸収分割若しくは事業譲受け等(以下これらを「企業結合」という。)が、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合及び不公正な取引方法による企業結合が行われる場合には、これを禁止しています。

この禁止を実効あらしめるために、合併など場合に、一定の条件の下、届出を義務付けています。

今回の改正案の概要は以下の通りです。

○ 株式取得・企業結合等の届出基準を,以下の表のように見直し
○ 外国会社についても国内会社と同様の届出基準を適用
○ いわゆる叔父甥会社間の合併等同一企業グループ内の企業再編について,届出を免除
○ 株式取得の事前届出制の導入に伴う共同株式移転に係る届出規定の整備等

現行法 改正法案
株式取得会社(買収会社) 会社並びにその直接の国内の親会社及び子会社の総資産の合計額100億円超等 企業グループの国内売上高の合計額200億円超
株式発行会社(被買収会社) 単体総資産10億円超(国内会社の場合) 会社及びその子会社の国内売上高の合計額50億円超

株式取得の事前届出制が導入されていることに留意が必要です。

【リンク】

2009年2月26日「『私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案』の国会提出について」公正取引委員会