ジム・ロジャーズの円ドルレート見通し

さまざまな国に投資するだけでなく、自らバイクや車で世界を一周した冒険投資家。娘の中国語教育のため祖国米国を離れ2007年からシンガポールに住むジム・ロジャーズ氏を9月下旬のある日の朝早く自宅に訪ねた。
(日経ヴェリタス2009年10月11日45面)

【CFOならこう読む】

記事の中でジム・ロジャーズは円の上昇見通しについて言及しています。

「日本円はかなりの額を保有しています。日本円の上昇は続くと思います。米ドルの先行きはかなり悲観しています。短期の予想は苦手ですが、円が対ドルで80円まで上がっても驚かないでしょう。70円もあるかもしれない。いずれにせよ、円を長期に保有する予定です。
円に強気な理由の1つは日本が債権国だということ。さらに、日本政府は数ヶ月前に円を国内に還流する優遇策(海外子会社からの配当金を非課税とする税制改正)を打ち出しました。ドル・キャリー取引の方が有利とみて、円キャリーを解消つまり円を買い戻す動きも出ています。」

本当に70円になるかどうかは誰にもわかりませんが、70円になることも想定してCFOは中期計画を策定する必要があるでしょう。他社の動向を見ながらヘッジを行う必要もあるかもしれません。

その場合にはヘッジが投機にならないようにくれぐれも注意してください。ヘッジにはコストがかかります。コストがかからないヘッジはヘッジになっていないと考えるべきです(2009年9月4日エントリー「リスクヘッジってすべき?」)。

コストをかけてもヘッジすべきかどうかしっかりと考えてください。そしてヘッジしないという選択肢も十分に検討したうえで意思決定してください。

【リンク】

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