金融円滑法案成立後の動向

年内に成立見通しの中小企業金融円滑法案をにらみ、首都圏の地域金融機関が対策に動き始めた。組織の新設や週末の相談業務窓口開設などが中心で、年末の資金需要期は例年以上に慌ただしくなりそうだ。だが、中小企業の間では「返済猶予を申し出れば新規の借入ができなくなるのではないか」と不安を訴える声も目立つ。
(日本経済新聞2009年11月28日33面)

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中小企業金融円滑化法案の詳細がいまだわからず、この制度がどの程度利用されるのか現状ではよくわかりません。中小企業の経営者からは、次のような声が多く聞かれます。

「借手の中小企業が懸念するのは新規借入への影響だ。大田区内のある工具メーカーの社長は「一時的にしのげてもさらに資金繰りが苦しくなったとき、銀行が追加融資してくれないのが目に見えている」と指摘。「結局は使えない法律」と言い切る」(前掲紙)

しかし金融機関には努力義務が課され、条件変更に応じた実績を開示する必要があることからも、従来よりも条件変更に応じるケースが増えるものと思われます。ですが上のような経営者はこの制度を利用しないでしょうから、もっぱら将来見通しが立たない会社により一時しのぎ的に利用されるだけということになりかねません。

あとには山のような不良債権が残るだけ、そんな結果になるような気がします。

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