相撲協会もチェインジ

日本相撲協会の役員改選をめぐる二所ノ関一門の会合が19日開かれ、一門を離脱して理事に立候補を表明していた貴乃花親方(37、元横綱)を支持する間垣親方(56、元横綱2代目若乃花)ら6人の親方が一門を離脱した。これを受け、同一門では放駒親方(61、元大関魁傑)と二所ノ関親方(61、元関脇金剛)の現職2人を候補者として擁立することを決めた。
NIKKEI NET 2010年1月21日

【CFOならこう読む】

私は以前このブログで相撲と相撲協会について書いたことがあります(2008年10月4日エントリー「日本相撲協会と経営の規律」)。

要点のみ再掲します。

「充実していないのは、経営者たる相撲協会の理事連中です。経営努力が全く足りていません。全ては部屋任せで、組織としての経営は行われていないに等しい。

顧客にも全然目が向いていない。相撲協会に注文は山ほどあります。

一番の問題は経営に規律が働いていないことです。

みんな身内ですから、責任が問われることがありません。従業員同士が殺し合いをしているのに、経営陣が責任を全く認識していない、全く稀有な組織なのです。経営を規律付けするにはどうしたら良いか。仲良しの有識者を外部理事として迎え入れれば万事解決なんてことは絶対にありません。

そう、これはコーポレートガバナンスの問題なのです。

日本の多くの経営者に相撲協会は腐っているなんて言う資格はありません。自社のコーポレートガバナンスと相撲協会を比べてみてください。
50歩100歩じゃないでしょうか?」

私はこれを書いたときに、新聞記事のような変革の動きが内部から出てくるとは夢にも思っていませんでした。しかも貴乃花がリーダシップを発揮するとは。。

ガバナンスが効いていない組織の末路は悲惨ですよ、相撲協会を見てください、そんなことを言いたくてあのときブログ記事を書いたのです。相撲協会は絶対に変わらないと思っていました。

その相撲協会がもしかしたら変わるかも知れません。理事選で理事候補は、それぞれマニフェストを掲げ戦えば良いのです。貴乃花が主張するように「子どもや若いファンを増やす」ための努力は全くと言っていいほど、行なわれていない現状で、例えば北の湖が何を主張するのか是非聞いてみたいものです。

相撲協会でも企業でも国家でも、決議機関の場が議論の場ではなく、多数派工作の結果形骸化してしまっていることが問題なのです。最も重要なのはオープンで建設的な議論が行なわれることでしょう。

力士としての貴乃花は嫌いでしたが、今の貴方は支持します。
ぜひとも頑張ってください。

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