社外取締役の要件

千葉景子法相が法制審議会に、会社法の見直しを諮問した。2005年に現在の会社法が制定されてから、初めての見直しとなる。日本企業の経営の質を高めるような法改正を望む。
(日本経済新聞2010年3月1日2面 社説)

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「経営者の暴走や誤った経営判断に歯止めがかからなければ、会社は倒れ、株主も損害を被る。企業が持続可能な成長を遂げるための最低条件として、企業統治の役割を高める
ことには意義がある。
その意味で、民主党の「上場企業の社外取締役の条件を強める」(公開会社法(仮称)の制定に向けて)との提言には耳を傾けるべき面がある。
社外取締役は会社の外にいて、独立の立場で経営の意思決定にかかわる。経営陣の影響を受けず独自の判断ができるかどうかがポイントになる。現在の会社法は肝心の独立性に関する定義があいまいだ。そのうえ、すべての会社に社外取締役を置くことまでは義務づけていない」(前掲紙)

独立取締役の要件として、日本取締役協会「独立取締役コード(2005年10月13日)は次のように定めています。

「実質的独立性に疑義がある者①大株主又はその利益を代表する者、②経営者又は従業員である(あった)者、③グループ会社の経営者又は従業員である(あった)者、④重要な取引関係がある(近い過去にあった)別の会社の経営者又は従業員である者、⑤当該会社のアドバイザーとして、取締役としての報酬以外に高額の報酬を受け取っている(近い過去に受け取っていた)者、⑥上記のいずれかに該当する近親の親族を有する者、⑦会社間における取締役の相互兼任がある場合の取締役である者、⑧当該会社の取締役に就任してから、すでに長期間が経過している者」

これを法制化するか市場ルールで規制するか議論があるところですが、日本の場合、コーポレートガバナンスに関わる事項は極力法制化し、役所に監視させるという方向性が良いと思います。

【リンク】

2009 年 7 月X日「公開会社法(仮称)制定に向けて」民主党公開会社法プロジェクトチーム[PDF]

2005 年 10 月 13 日「独立取締役コード」日本取締役協会 社外取締役委員会[PDF]