新興市場、流動株式時価総額基準

新興3市場に上場する銘柄の売買が細り、相場低迷の一因になっている。取引の成立日数が月の半分に満たない銘柄数は全体の約15%に上り、最近再び増加傾向にある。1部市場と比べ流通する株数が少ないうえ、長期の株安で売るに売れない構図が定着。取引所も対策に乗り出した。
(日本経済新聞2010年3月5日16面)

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「流動性の低下に取引所も危機感を強めている。ジャスダック証券取引所は先月16日、大証ヘラクレスとの統合で今秋できる新市場の制度要綱を公表した。東証マザーズと同様に、浮動株による時価総額の規制を導入する方針。決算期末時点の浮動株式数に株価を乗じて算出した時価総額が2.5億円未満になり、1年以内に回避できないと上場廃止にする。13年度の施行を予定している」(前掲紙)

東証マザーズの場合、上場廃止基準のうち流通株式時価総額基準は、

2.5億円未満(平成22年12月末までは1.5億円未満)(猶予期間1年)

となっています。

流通株式の定義は次の通りです。

上場株式数(注1)-(役員所有株式数(注2)+自己株式数(注3)+上場株式数の10%以上を所有する者が所有する
株式数(注4))

(注1)
上場株式数には、自己株式数を含みます。
(注2)
役員とは、取締役、会計参与、監査役及び委員会設置会社の場合の執行役とし、役員持株会も含みます。執行役員制度を採用している会社の取締役でない執行役員は含みません。
(注3)
自己株式の処分を決議した場合は、当該株式数を控除します。
(注4)

このうち、次に掲げるものは、流通株式に含まれるものとします。

・投資信託又は年金信託に組み入れられている株式
・その他投資一任契約等に基づき投資として運用することを目的とする信託に組入れられている株式
・証券金融会社又は金融商品取引業者所有株式のうち信用取引に係る株式

まあより本質的な問題は、国富の創造に繋がるようなベンチャー企業が日本の新興市場にはあまりに少ないことにあるのでしょう。

【リンク】

「流通株式数等(分布状況)基準」東京証券取引所