自社株買い減少に歯止め

上場企業の自社株買いの減少に歯止めがかかりつつある。企業が2月に設定した自社株取得枠(予定額、上限)は前年同月比8%減の1011億円と、減少率が1月の42%から大きく減少した。昨年9月は96%減だったが翌月以降は5ヶ月連続で縮小している。業績の底入れが背景にあり、株主への利益配分が平時の状態に戻れば株価を下支えする可能性もある。
(日本経済新聞2010年3月9日3面)

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「自社株買いは市場で取引される株数を減らし1株当たりの実質価値を高める効果がある。配当と並ぶ株主配分策とされてきたが、金融危機後は銀行や医薬品など自社株買いの常連が内部留保を優先。取得枠の設定が急減した」

サブプライム問題発生後、多くの日本企業の資金繰りが悪化し、現預金を平常時に比べ大幅に積み増した。そのため自社株買いの余裕もなくなったわけですが、経済の底入れに伴い、自社株買いの減少に歯止めがかかりつつある、というのが今日の記事です。

「ただ、自社株取得枠の絶対額は依然低水準。野村証券によると、2月の設定額は2008年2月の5分の1以下にとどまった。2008年度の設定額は約4兆円だったが、2009年度は2月までで約7800億円にとどまる」

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