ユーロ、118円台に

ギリシャ問題の影響が世界全体に波及するなかで、ユーロは対円で大きく値を下げた。6日の外国為替市場では一時、前週末より5円以上安い1ユーロ=118円台をつけ、1年2ヶ月ぶりの安値となった。輸出企業が業績予想などの前提にする想定為替レートは120円台が中心。このまま円高・ユーロ安が進めば持ち直しの過程にある企業収益を圧迫する可能性がある。
(日本経済新聞2010年4月27日13面)

【CFOならこう読む】

「日本の輸出企業は2010年度のユーロの想定レートを120円台を中心に設定している。ホンダは120円で、1円円高が進んだ場合の営業利益への影響額は15億円のマイナスになるとみている。セイコーエプソンは125円で12億円のマイナス。このままユーロ安が進めば、企業収益が大きく押し下げられる可能性がある」(前掲紙)

下表は、1円の円高で利益が減少する金額を5年前と比較したものです。昨年12月16日に当ブログで掲載したものを再掲してみました(ですから時点が少し古いことにご留意ください)。

(日本経済新聞2009年12月16日17面)

5年前と比較して円ユーロレートの影響が相対的に大きくなっています。

多くのCFOが中長期的にユーロ建てのコストを増やすというような対応策を講じているのですが、ユーロの国債通貨としての機能が限定的であるため、なかなかうまく進んでいません。

現在のユーロレートは今年3月と同程度ですから、全く予測できない水準というわけではありませんが、さらにユーロ安が進めば輸出企業には大きな影響が出る可能性があります。

【リンク】

なし