日本電波工業、初のIFRS適用決算発表

日本電波工業は13日、日本企業で初めてIFRSを適用した連結決算を発表した。2010年3月期の包括損益は41億円の黒字(前期は297億円の赤字)だった。
(日本経済新聞夕刊2010年5月12日2面)

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IFRSによる実績、これに対応する形で組み替えた日本基準による実績及びIFRSと日本
基準との差異は下表のとおりです。

IFRSの業績項目による実績の比較(単位:百万円)

当期利益の差異は338百万円、項目別に見ると金融収益が508百万円差異が生じている点が目につきます(逆にいうとその他では大きな差異は生じていません)。

税引前当期利益のIFRSと日本基準との主な差異の理由について次のとおり開示されています。

「IFRSでは新株予約権付社債(複合金融商品)を負債と資本に区分し、負債項目の一部を公正価値(時価)で評価するため、社債償還益の増加と社債利息の増加があり、日本基準に比べ449百万円増加いたしました」

新株予約権付社債の会計方針については、連結財務諸表注記に次のように記載されています。

「IFRSでは新株予約権付社債(複合金融商品)を負債と資本に区分し、負債項目の一部を公正価値(時価)で評価するため、社債償還益の増加と社債利息の増加があり、日本基準に比べ449百万円増加いたしました」

【リンク】

平成22年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)[PDF]

会計基準の変更及び業績予想と実績との差異に関するお知らせ[PDF]