低格付け債、スプレッドが縮小

格付けが相対的に低い上場企業の普通社債の発行が相次ぐ見通しだ。双日や鹿島など2008年秋の「リーマンショック以降で初めて起債を計画している。カネ余りや低金利で運用難に悩む機関投資家が格付けが低い企業の社債購入に動いており、基準金利に対するスプレッドが縮小。これまでに比べ割安な金利負担で資金調達できるようになっているため。
(日本経済新聞2010年5月26日15面)

【CFOならこう読む】

「流通市場では、トリプルB(R&I)のスワップ金利に対する上乗せ幅は平均0.7%程度まで低下している。
カネ余りの追い風を印象づけるのは、ソフトバンクの調達金利の低下だ。近く3年ものと5年物で250億円ずつ発行する見通し。5年物の利率は1.7%程度と3月発行の5年債の3.5%からほぼ半分に低下する見通し」(前掲紙)

すでにスプレッドは歴史的な低水準に縮小」しており、バブルの様相を呈しています。確かにCFOにとっては追い風ですが、実態は

「運用サイドのカネ余りとのいびつなバランスは崩れそうもない」(みずほ証券の伴豊氏)

という見方が正しいように思います。

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