有価証券報告書、総会前開示10社

企業の「1年間の成績表」ともいえる有価証券報告書(有報)を、定時株主総会の前に開示できる制度が今年から始まった。金融庁が株主の議決権行使の判断材料にしてもらおうとルールを改正したが、3月期決算の上場企業のうち2010年3月期決算の有報を総会前に開示するのは10社、全体の0.4%にとどまりそうだ。企業側の事務負担が重く、定着には時間がかかるとの見方が多い。
(日本経済新聞2010年6月5日13面)

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この制度の概要については、今年1月7日にご紹介しました(「有価証券報告書の株主総会前提出」)。

結局今年の総会前開示は次の10社にとどまりました。

滋賀銀行
共成レンテム
鳥居薬品
フュートレック
いい生活
松井証券
保土谷化学工業
カルチュア・コンビニエンス・クラブ
日産化学工業
トラスコ中山

「株主総会前に有報を開示しない企業でも、資生堂のように、株主の関心が高い個別役員報酬額を総会用の事業報告書に追加で記載するところも出ている。今後はこうした次善の策で対応する企業が増える可能性がある」(前掲紙)

資生堂は事業報告の

5.当社の役員に関する事項
(5) 取締役および監査役の報酬等
③代表取締役および報酬等の総額が1億円以上である取締役の当期に係る報酬等の種類別の額

において、代表取締役2名と取締役1名の基本報酬、賞与、ストックオプションの金額を開示しています。

【リンク】

資生堂グループ「事業報告」[PDF]