経産省、社外役員の基準緩和提示

経済産業省は23日、法制審議会(法相の諮問機関)会社法制部会に、会社法の見直し案を提示した。社外役員や独立役員の選定基準を緩和するのが柱で、社外・独立役員が過半数を占める企業には株主総会の手続きの簡素化などの特典を付与するよう記した。株式を対価とするTOB(株式公開買付)の促進策や、完全子会社化の際に少数株主から株式を買い取りやすくする手続きも規定するよう求めた。企業の成長を促す企業組織再編法制の実現を見直す。
(日本経済新聞2010年6月24日4面)

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「社外役員や独立役員について、企業が選ぶ際の要件の見直しを提案。現行法ではその企業の経験者や取引先にいた場合は、原則就任できない。だが企業からは要件が厳しすぎて、社外・独立役員が確保できないとの不満の声があがっていた。経産省はこの現状を改め、役員経験者などでも退任から数年間たてば、就任できるようにする必要があると判断した」(前掲紙)

現行の社外・独立要件は甘いという声もある中、逆にこれを緩和しようという見直し案です。

今年から役員選任を含む全議案を対象に議決権行使結果の開示が義務付けられていますが、次のように独立性に抵触すると思われる役員の議決権行使結果は厳しいものとなって
います。

「バンダイナムコHDは同日提出した臨時報告書で、21日に開いた総会の投票結果を公表した。反対票が多かったのは社外監査役候補の弁護士。子会社のバンダイから法的業務にかかわる報酬を受け取っており、米議決権行使助言会社が「社外といえるか疑問」などと事前に意見表明をしていた。

(中略)

KDDIでは京セラの川村誠会長とトヨタ自動車の佐々木真一副社長を社外取締役に選ぶ議案への賛成票も約65%にとどまった。京セラとトヨタがKDDI の大株主であることが影響したとみられる」(日本経済新聞2010年6月24日9面)

経産省にはこの6月の株主総会の結果を詳細に分析して頂きたいものです。

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