日本企業のM&Aは家を買う感覚に近い?

「米国ではM&Aは家を買う感覚に近いが、日本では結婚のようなものだ」。米スリーエム(3M)のジョージ・バックレーCEOは23日、こう語った。
(日本経済新聞2010年8月24日11面)

【CFOならこう読む】

「日本では買収する側とされる側の信頼関係が重視されるため、長い時間がかかる」(前掲紙)

いえいえ日本では家を買うのも一生に一回の大仕事です。こういった比喩からして米国とは違うのですね。この相違はどこから来るのかと考えてみると、やはり市場が機能しているかしていないかという点が一番違うと思うのです。

日本で家を買うのが一生の問題なのは、一回買ったものはそう簡単に売れないからです。

日本のM&Aに時間がかかるのは、中堅以上の従業員の再就職が難しいため、雇用が確保される形でないとなかなか従業員の賛同が得られないからです。

いずれも市場の問題です。単純に規制緩和すれば全てが解決するとは思いませんが、政治の役割はとても重要だと思います。

市場原理主義などといって市場を軽視する発言は厳に慎んでもらいたいものです。

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