ROICの考え方を開発投資に反映させる

「好採算のCR-Vにもっと資源を投入しろ」「この車種の効率性は悪すぎるのでは」。8月以降、ホンダの事業管理本部を中心にこんなやりとりが目立つようになった。投下資本に対する収益性を見る投下資本利益率(ROIC)の観点から、モデル別の研究開発動向を常にチェックし始めたためだ。
(日本経済新聞2010年9月9日)

【CFOならこう読む】

ROICとは一般に次のように定義されます。

ROIC=NOPLAT / 投下資産

ここで、

NPLAT=税金調整後営業利益
投下資産=運転資本+事業の用に供されている有形固定資産+事業に関係するその他資産-事業に関係するその他負債
(「マッキンゼー・アンド・カンパニー トム・コープランド他著 企業価値評価ダイヤモンド社」に吉永が加筆修正)

この考え方をホンダは開発投資にも反映しているというのが今日のニュースです。

「経常利益と減価償却費の合計を、人や金型といったモノなどの投入資源と研究開発費の合計で割り、効率性をみる。
指標は二、四輪車すべてに導入する。モデル別投資リターンがわかり、瞬時に「開発投資の良しあしを判断できる」(北條陽一取締役)。現在、四輪車の平均リターンは10%超とみられるが、今後、「フィット」や「シビック」などグローバル車種では2~3割に高める」(前掲紙)

【リンク】

なし