沢井製薬、キョーリン株5%弱取得

後発医薬品大手の沢井製薬が中堅製薬のキョーリン製薬ホールディングスの株式5%弱を取得したことが17日までにわかった。沢井は出資を通じてキョーリンと関係を深め、新薬メーカーの開発ノウハウを得たい考えで、さらにTOBによる買収にも意欲を見せている。ただキョーリン側は難色を示しており、実現は不透明だ。
(日本経済新聞2010年9月18日11面)

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「沢井は夏場までに株式市場を通じてキョーリン株を約60億円で取得したもよう。一方、TOBを通じた完全子会社化を目指してキョーリン側に買収提案書を送付、9月中の回答を求めている」(前掲紙)

沢井は時価総額1,207億円、実績PER24.23倍、実績PBR2.73倍に対し、キョーリンは時価総額904億円、実績PER10.20倍、実績PBR0.86倍です。

キョーリンはPBR1倍割れであることに加え、現金及び現金同等物の期末残高は平成20年3月末95億円、平成21年3月末123億円、平成22年3月末215億円と着実に積み上がってきており、M&Aのターゲットになりやすい状況にあると言えます。

「キョーリン側は沢井の買収提案に難色を示している。4割超の株式を持つ創業家一族も株式譲渡には否定的で、友好的なTOBは難しいとの見方が現時点では多い」(前掲紙)

キョーリンはライツプランを導入しておらず、沢井は敵対的TOBを仕掛けることも可能です。
創業家が一枚岩でないならTOBが成功する可能性もあるかも知れません。

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