【資本政策詳解】フーマイスターエレクトロニクス

フーマイスターの株式上場の概要は次の通りです。

フーマイスターは、1988年設立、日立グループ及びルネサス エレクトロニクス株式会社等をはじめとした国内メーカーから仕入れた電子部品・電子材料を、韓国のLGグループをはじめとした海外メーカーへ販売を行っている企業です。

公募価格は1,000円、予想PER6.3倍という水準での株式公開となりました。初値は公募価格を3%下回る970円でした。

フーマイスターの主な資本政策は (表2)の通りです。

2007年6月と9月に第三者割当増資を行っていますが、発行価格それぞれ320,00円と600,000円と大きく乖離しているのが特徴的です。

上場後も社長一族(資産管理会社を含む)で2/3超の持分を確保する資本政策になっています。従業員のインセンティブは従業員持株会によっており、その持分は上場直前で1.33%でした。

営業キャッシュフローが2008年9月期が△54億円、2009年9月期が+20億円とバラツキが大きいのが目に付きます。

「同社は2010年9月期の純利益を前期比の5倍の3億4000万円と見込むが、本業の現金収支を示す営業キャッシュフロー(CF)は赤字の見通し。2008年9月期も純利益を計上しながら営業CFは54億円の赤字だった。
会見で、藤田和弘管理本部長は「売掛金と買掛金のサイトに差があるため、売上高が伸びると営業CFは赤字になると説明した」」(日経ヴェリタス2010年9月19日24面)

つまり資金面から見ると成長余力はあまりない会社です。

フーマイスターは、JASDAQらしいいわゆる相続銘柄で、そもそも成長志向に乏しいのかも知れません。0.39倍という異常に低いBPSは、相続対策という点から見ると大成功?!と言えます。

【リンク】

株式会社フーマイスターエレクトロニクス