三洋・パナソニック

三洋電機の買収を巡り、パナソニックと米ゴールドマン・サックス(GS)グループなど三洋の大株主三社の交渉が難航している。パナソニックが1株120円の買収価格を24日に提示したのに対し、200円台後半を主張するGSは25日に交渉打ち切りを通告した。パナソニックは他の2社が合意すればGS抜きでもTOBを実施する構えで厳しいせめぎ合いが続きそう。
(日本経済新聞2008年11月26日11面)

【CFOならこう読む】

「パナソニックの提示額は現在の株価(25日終値は156円)を下回る120円。GSは三洋の企業価値からかけ離れていると判断。25日に三洋を通じ、交渉の打ち切りをパナソニック側に通告した。」
(前掲紙)

現在の株価が優先株の希薄化を織り込んでいると考えるか、織り込んでいないと考えるかでフェア・バリューは異なります。

この点11月5日の当ブログで、株価は優先株の希薄化効果を一部織り込んでいないと考えられることをお話しました。
https://cfonews.exblog.jp/8900738/

2009年3月13日までは、GS他が議決権ベースで34%の保有義務があることから、この分の希薄化効果は現在の株価に織り込まれていないと考えることができます。

そう考えると、パナソニックの120円という価格も説明がつきそうです。

ただし、GSが了解しないままTOBを実行に移すことは考えづらく、これからの交渉如何では価格の引き上げもあり得るとは思います。いずれにしても三洋のスタンド・アローンバリューをどう見るかという点で、売り手・買い手が合意するまでもう少し時間がかかるかもしれませんね。

【リンク】

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