資本政策詳解-クロス・マーケティング

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クロス・マーケティングの株式上場の概要は次の通りです。

クロス・マーケティングは、平成15年設立のインターネットによる市場調査を行っている会社です。

公募価額590円、2008年12月期見込みEPSが93.71円なのでPER6.3倍というインターネット関連としては低水準での株式公開となっています。

クロス・マーケティングの主な資本政策は (表2)の通りです。

全く破綻のない資本政策で、平野氏が策定したプラン通り実行してきたのでしょう。それだけに面白味にかけているとも言えます。五十嵐社長はまだ35歳なのだから、配偶者や血族にまで株をばらまく必要はないだろうと思うのですが…。

(表3)はクロス・マーケティングの株主構成です。

上場後でも五十嵐社長単独で50%超の持分を確保する資本政策になっています。

平成19年12月時点で従業員数96名、従業員持株会は設立しておらず、従業員のインセンティブはストックオプションによっています。

クロス・マーケティングの資本政策からイカガワシイ感じは全くしません。それだけに、何故、あえてマーケットが最悪のこの時期に、この価格で上場しなければならないのか、疑問に思います。

【リンク】

平成20年9月「新株式発行並びに株式売出届出目論見書」株式会社クロス・マーケティング [PDF]