低格付け債、発行が急減

投資家に警戒感 調達コスト上昇

格付けの低い企業の社債発行が急減している。トリプルB格の社債発行額が全体に占める比率は今年4月—9月に約3%と10年ぶりの低さとなり、10月以降も記載が途絶えている。今夏以降は格付けの引下げ件数も増加。米国発の金融危機と景気後退懸念が企業の資金調達に悪影響を及ぼし始めた。
(日本経済新聞 2008年10月21日 16面)

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流通市場での、トリプルB格の社債のスプレッドは1.6%と5年半ぶりの高い水準です。4月—9月における、トリプルB格の社債の発行は1400億円と全体に占める比率は1998年度の0.3%以来の低水準です。

もともと日本の社債市場で機関投資家の投資の下限がトリプルBであり、トリプルBがリスク許容の限界となっていると言えます。6月からデフォルトが続いたことにより、このリスクの下限が上方に移行しているように思われます。

もっともトリプルB未満の社債の取引が市場でなされていないことにも問題があると言えます。

リスクから逃げるのではなく、リスクに真摯に向き合うことが、金融の重要な役割であると私は思います。

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