資本政策詳解-メディサイエンスプラニング

【CFOならこう読む】

メディサイエンスプラニングの株式上場の概要は次の通りです。


メディサイエンスプラニングは、国内外の製薬会社から新薬の臨床試験(治験)を受託するCRO事業を主たる事業としている会社です。

公募価額1,100円、2008年8月期見込みEPSが119.43円なのでPER9.2倍の水準での株式公開となっています。
役員を中心に25万株の売り出しを行うことが目を惹きます。


メディサイエンスプラニングの主な資本政策は (表2)の通りです。


IPOのプレファイナンスとして、2007年6月に20%超の希薄化を伴う第三者割当増資を役員、VC、主幹事証券(高木証券)に行っています。

(表3)はメディサイエンスプラニングの株主構成です。


代表権のない取締役会長である酒井杏郎氏が筆頭株主ですが、それでも20%を下回る持分しか有していません。
従業員持株会はあるものの、ストックオプションの発行は行っていません。

2007年の第三者割当増資の10ヶ月前に、酒井会長から関係会社の役員等に株式移動が行われていますが、この時の価格は純資産価格をベースに決定された22,000円で、第三者割当増資の40,000円と相当に乖離があります。

2007年の増資の割当を受けた医師の1人が、診療報酬不正請求に係る詐欺罪の容疑で逮捕され同年9月に逮捕されています。会社はその事実をきちんと開示しており、それ自体は大きな問題ではないのかもしれませんが、そういう輩と付き合いがあったという点は紛れもない事実です。

上場直前期である2007年8月期まで浦江社長が会社から社宅の供与を受けていたことが、関連当事者との取引に開示されていますが、会社のガバナンスという点で多少問題があるのかもしれません。

【リンク】

株式会社メディアサイエンスプランニング