予想PER15倍へ急上昇

響く円高・需要減 海外戦略の見直し迫る

上場企業の経常利益は2009年3月期に7期ぶりの減少に転じる。米国発の金融危機は世界の実体経済にも影響を広げており、減益は来期も続く可能性がある。財政基盤、技術力などで日本の主力企業は国際的にも強さを維持しており、逆風下でいかに競争力向上の手を打てるかが金融危機の浮沈を左右する。
(日本経済新聞 2008年11月11日 1面 企業収益 逆風に挑む 上)

【CFOならこう読む】

日経平均株価の予想PERが急上昇しています。

「6%減から26%減へ。3月期決算企業の今期の業績見通しを期初と先週末で比べると、経常減益率は20ポイント拡大した。このうち5ポイント弱がトヨタの下方修正による。円高・資源高・米景気減速の3つがマイナス材料となり7期ぶりの減益を見込んでいたが、収益環境は大幅に悪化した。
株価はそれを先取りする形で下落していた格好だ。日経平均株価がバブル後最安値を記録した10月27日、利益から見て株価の割安さを測る予想PERは日経平均の構成銘柄の平均で10倍弱と歴史的な水準まで下げた。だが、PERは先週末には15倍弱と急上昇。必ずしも割安といえない水準まで利益が下がった。」
(前掲記事)

第2四半期決算発表を受けて通期の利益予想が下方修正され、その結果、予想PER(=株価/予想利益)が急上昇した、ということを新聞記事は言っているのです。PER15倍というのは、もはや割安とは言えないという点については、私も同じ意見です。CFOは今後の株価の上昇余地は小さいことを前提に、財務戦略を考える必要があるでしょう。

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