資本政策詳解-データホライゾン

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データホライゾンの株式上場の概要は次の通りです。

データホライゾンは広島に本社があり、レセプト(診療報酬明細書)のデータ化と分析結果からの各種サービス、レセプトのチェックシステムの提供など医療関連情報事業を展開している会社です。

設立は昭和57年で、当初はガソリンスタンド向け販売管理システムや、養豚場向け生産管理システムの開発・販売を行っていたようです。順風万端に上場までこぎつけた、という会社ではなさそうです。

公募価額1,650円、2009年6月期予想EPSが104.55円なのでPER15.8倍の水準での株式公開となっています。

データホライゾンの主な資本政策は (表2)の通りです。

2004年3月期、2005年3月期は債務超過でキャッシュフロー的にも苦しかったものと推察されますが、第三者割当増資を重ねてこの時期を凌いだようです。

2007年3月期まで大きな繰越損失があり、これを資本準備金の取崩しにより填補しているところが特徴的です。

(表3)はデータホライゾンの株主構成です。

上場直前に大株主である内海社長の奥様が亡くなり、相続により株式が分散しています。奥様は24万株を保有しており、上場へ向けた資本政策の上で、夫婦合わせてオーナー持分を計算していたはずで、相続発生は全くの想定外であったものと思われます。

過半数を持たない中で上場ベンチャー企業(といってよいでしょう)の経営を行うのは、難しい面があると思いますが、頑張って欲しいと思います。

かつて上場準備をしていたが、ここ最近事業が停滞して上場を諦めかけているオーナー社長は日本中にたくさんいると思いますが、データホライゾンの事例は大きな励みになると思います。

今、債務超過だとしても、決して諦めてはいけません。

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なし