時価総額基準による上場廃止猶予期間入り

東京証券取引所と大阪証券取引所に上場する企業で、8月末の時価総額が各市場の上場基準を下回っている企業が19社と、3月末に比べ14社も増えた。原材料高など収益環境の悪化で、株価下落が長期化する企業も目立つ。19社は一定期間、上場廃止を猶予されるが、上場を維持するにはその間に収益向上策などを求められることになる。
(日本経済新聞2008年8月29日 16面)

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各取引所は時価総額が一定の額を下回った状況が続くと上場廃止にすると定めています。

東証、大証ともに月間平均時価総額又は月末時価総額のいずれかの時価総額が、一定基準を下回ると上場廃止猶予期間入りとなります。

各市場の規定は次のようになっています。

東証1部・2部の場合
10億円未満である場合において、9か月(所定の書面を3か月以内に提出しない場合は3か月)以内に10億円以上とならないとき
又は
上場株式数に2を乗じて得た数値未満である場合において、3か月以内に当該数値以上とならないとき

東証マザーズの場合
5億円未満である場合において、9か月(所定の書面を3か月以内に提出しない場合は3か月)以内に5億円以上とならないとき
又は
上場株式数に2を乗じて得た数値未満である場合において、3か月以内に当該数値以上とならないとき

大証1部・2部の場合
上場時価総額が5億円未満である場合において,9か月(事業計画の改善等に関する書面を3か月以内に大証に提出しない場合にあっては,3か月)以内に5億円以上とならないとき。

4月1日にも書きましたが、売買高も少なく時価総額も小さい銘柄はどんどん上場廃止にすれば良いのです。その代わり上場審査はもう少し緩やかにし、市場の銘柄を積極的に入れ替えていくことで、魅力的な商品(銘柄)ラインナップを投資家に提供していくことが、特に新興市場にとっては重要であると思います。

【リンク】

「上場廃止基準概要 (一部・二部)」
「上場廃止基準概要 (マザーズ)」
「大阪証券取引所 市場第一部・第二部上場廃止基準とその運用について」株式会社大阪証券取引所 自主規制本部 上場グループ [PDF]