【資本政策詳解】テラ

テラの株式上場の概要は次の通りです。

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テラは、2004年設立、「樹状細胞ワクチン療法を中心に、化学療法、放射線治療などを組み合わせた独自技術「アイマックスがん治療」の技術・ノウハウの医療機関への提供を行っている会社です。

公募価格は310円、2009年12月期見込みEPSが7.86円なのでPER39.44倍という水準での株式公開となりました。初値は300円と若干公募価格を下回りました。

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テラの主な資本政策は (表2)の通りです。

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研究開発型のベンチャー企業なので、創業当時から資金調達が非常に重要でしたが、外部資金はベンチャーキャピタル(VC)からエクイティで調達しています。したがって創業社長である矢崎氏が、一定の持分を保有するためには、VCからの資金調達に合わせて自分でもエクイティを入れざるを得ず、この辺が研究開発型企業の資本政策策定上最も難しいところですが、テラの場合、矢崎氏が上場後1/3超の持分を確保する仕上がりとなっています。

2008年3月の資本準備金のその他資本剰余金への振替ののち、前期末の繰越損失14,740千円を補填するために行われたもので、その他資本剰余金から、その他利益剰余金へ同額の振替が行われています。

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従業員へのインセンティブは、従業員持株会とストックオプションによっています。
資本政策上の理由から矢崎社長他役員もストックオプションを保有しているため、潜在株式比率は13.75%とかなり高い水準になっています。

全体に資本政策から会社の素性の悪さのようなものは感じられませんが、一点監査役が大株主に名を連ねているところが気になります。監査役という職責上、大量の株式を保有するのはいかがなものでしょう。

【リンク】

平成21年2月「新株式発行並びに株式売出届出目論見書」ラテ株式会社

平成21年3月26日「マイルストーン開示に係る事業計画について」ラテ株式会社