FCレジデンシャル投資法人、投資主の解散総会請求で投資口価格が急伸

25日REIT市場で、FCレジデンシャル投資法人の投資口価格が前日比15.4%高と急伸した。24日にFCレジデンシャルが「投資主のエスジェイ・セキュリティーズ・エルエルシーが、投資法人の解散についての投資主総会の招集を請求した」と発表したことが材料だ。
(日本経済新聞2010年11月15日15面)

【CFOならこう読む】

「FCレジのPBRは0.57倍と、理論上の解散価値である1倍を下回っている。仮にFCレジがこの水準で解散し保有資産を売却すれば、投資主は利益を得られる計算になる。これが解散目的の投資主総会を請求した理由とみられる」(前掲紙)

PBRとは株価/簿価純資産のことです。簿価純資産は会計上把握されるものなので、含み損益が反映されたものではありません。時価純資産に近い評価指標としてREITの場合NAV(Net Asset Value)が用いられます。NAVとは、J-REITが保有する物件等の時価評価から負債を差し引いたものであり、解散価値としては簿価純資産よりNAVで見る方が適切であると言えます(もちろん物件の時価評価が適切に行われていることが前提です)。

投資口価格を1口当たりのNAVで割ったものを「NAV倍率」と言います。

少し古いデータですが、↓のサイトでJ-REITのNAV倍率を一覧できます。この指標で見てもFCレジデンシャルは1倍を大きく下回っていることがわかります。
J-REITTレポート Vol.4 「注目の投資尺度『NAV倍率』」みずほ投信投資顧問株式会社 [PDF]

【リンク】

2010年11月24日「投資主による投資主総会の招集の請求に関するお知らせ」FCレジデンシャル投資法人 [PDF]