TOB中の幻冬舎株、投資ファンドが30.6%取得
ケイマン諸島に本籍を置く投資ファンドのイザベル・リミテッド(ヴィジャバラン・ムルゲス代表)が、6日時点で幻冬舎の議決権比率の30.6%に当たる8397株を取得したことが7日、分かった。
(日本経済新聞2010年12月8日15面)
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「幻冬舎は10月29日にMBOの実施を発表。現在は見城徹社長が代表を務める特別目的会社が12月14日までTOBを実施中。」(前掲紙)
TOBの概要は11月16日にポストしました(「【TOB開示資料抜粋】TKホールディングス・幻冬舎」)。
最近の幻冬舎の株価と出来高の推移は以下の通りです。
終値 | 出来高 | |
2010年12月7日 | 230,000 | 130 |
2010年12月6日 | 252,000 | 3,646 |
2010年12月3日 | 241,000 | 644 |
2010年12月2日 | 225,000 | 203 |
2010年12月1日 | 221,000 | 421 |
2010年11月30日 | 220,200 | 1,000 |
2010年11月29日 | 220,100 | 1,291 |
11月29日以後終値がTOB価格220,000円を上回っています。
12月7日に提出された大量保有報告書によると、保有目的は、「純投資(但し、投資一任契約等に基づく顧客資産運用のため)状況に応じて重要提案行為等を行う可能性があります。」とされています。
このTOBにより3分の2超の応募がないと、その後の100%子会社化の道が塞がれます。すでにイザベル・リミテッドの持分が30.6%あり、3分の2どころかTOB成立のための下限である50%超の応募もきびしいかもしれません。