ブッシュ減税2年延長

オバマ米大統領は6日、ブッシュ減税の2年間の延長や給与税の1年間の減税、設備投資に対する優遇措置の拡大を含む広範な税制案について、議会共和党指導部と合意に達した。
(ウォールストリートジャーナル日本版2010年12月9日)

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「オバマ大統領は、合意にあたって自ら翻意を余儀なくされたことを認めた。オバマ大統領は以前から、年収25万ドルを超える夫婦を対象とした所得税減税措置の打ち切りを主張していた。オバマ大統領は、政治的なこうちゃく状態が継続し、実質的に広範な増税に至ることになれば、「100万人を優に超える雇用が犠牲になりかねない」と述べた。
合意案では、研究費の控除をはじめとする企業向けの税控除策の多くも延長されることになる。高額所得者層向けを含む現行のキャピタルゲインや配当に対する税控除が2年間延長されるほか、中間所得世帯に対する代替的最小課税(AMT)の免除も引き続き維持される。

このほか、合意案の一部として、ホワイトハウスは、ほぼすべての投資費用を100%控除申告可能にするなどの設備投資促進策を盛り込むことも提案している。」(前掲紙)

ブッシュ減税が失効すれば、

「所得税率はすべての区分で上昇し、最高税率は現在の35%から39.6%に、最低税率も10%から15%に引き上げられる。現在15%のキャピタルゲインに対する最高税率は20%となり、配当所得に対する特別軽減税率(15%)は廃止される」
「迷走する「ブッシュ減税」延長論10年前に仕掛けられた時限爆弾に右往左往」日経ビジネス

ことになる。

そうなると配当については通常所得(最高税率39.6%)で課税されることになってしまう。

中間選挙で共和党が勝ち、オバマ政権の、富裕層のみブッシュ減税を打ち切ることが不可能となり、このままでは配当も含め全ての減税が失効するという事態になるところだったのを、オバマ大統領が共和党に歩みよることで、とりあえず2年間先延ばしされた、というのが今日のニュースです。

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