IASBヘッジ会計の公開草案を発表

IFRSを作るIASBは、新たなヘッジ会計の公開草案を発表した。ルールが細かすぎて経済実態を反映できないという批判に対応し、金融資産と非金融資産の区別をなくすなど簡素化した。
(日本経済新聞2010年12月11日15面)

【CFOならこう読む】

「現行基準では、例えば航空会社がジェット燃料の価格変動をヘッジした場合、ジェット燃料のデリバティブの代わりに原油デリバティブを使ってもヘッジ会計の対象にならず、航空会社の損益が乱高下する原因になっていた。新基準案では、こうした場合にジェット燃料がヘッジ会計の対象になりやすくなり、航空会社の損益の平準化につながるとみられる」(前掲紙)

9日に公表されたヘッジ会計のExposure DraftのSnapshotによると上記以外に以下の変更があるようです。

・従来ネットポジションはヘッジ対象として指定することが認められていなかったが、これが可能となる
・従来オプションの時間的価値部分はヘッジ手段として指定することができなかったが、これが可能となる
・従来ヘッジの有効性の評価及び測定が厳格に行われることが要求されていたが、これが緩やかになる。また、ヘッジ関係を変更してもヘッジの中止とはされない場合を新たに規定した

【リンク】

「December 2010 Exposure Draft December 2010Exposure DraftSnapshot: Hedge Accounting」IFRS [PDF]