金利上昇局面における資本政策ーサンリオ、優先株を買入消却

サンリオ 優先株を買い入れ消却 4割相当分、金利上昇分で

サンリオは優先株の一部を買入消却する見通しだ。今後金利が上昇する可能性があるとみて、市場金利に連動して配当が決まる優先株を極力減らす。
(日本経済新聞 2008年6月24日 14面)

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優先株の概要は次の通りです。
(1) 発行額:100億円
(2) 配当金:日本円半年物東京インターバンクレート(TIBOR)に4%加算した利率
(3) 普通株式転換可能期間:平成22年3月23日以降
(4) 当初転換価額:平成22年3月23日に先立つ45取引日目に始まる30取引日の毎日の普通株式終値平均値の90%に相当する金額(以降、年2 回の転換価額の修正があります。)
(5) 強制償還価額:発行価額(1株につき1万円)に107%を乗じた価額

消却するのは2005年3月に発行したB種優先株百億円のうち4割にあたる40億円分。三菱東京UFJ銀行とみずほコーポレート銀行からの買い入れには、計42億8千万円の資金が必要で、これは現預金の取崩と銀行借入で賄う方針です。

平成20年3月31日現在の株主資本は以下の通りです。
(1) 資本金 14,999百万円
(2) 資本剰余金
1 資本準備金     10,003
2 その他資本剰余金   92
(3) 利益剰余金
1 その他利益剰余金
繰越利益剰余金    3,053
(4) 自己株式 △ 954
株主資本合計     27,194百万円

会計上の原資を手当するために、26日の定時株主総会で資本準備金50億円の取崩しが付議されます。

議案の概要は次の通りです。
1. 資本準備金の額の減少の目的
これまで期間利益を償還原資とする計画でありましたB種優先株式の償還原資の一部として充当するために、また、今後の資本政策の柔軟性、機動性の確保を目的として資本準備金を減少し、その全額をその他資本剰余金に振り替えるものであります。
2. 資本準備金の減少額
資本準備金の減少額 5,000百万円
なお、減少後の資本準備金は、5,003百万円
3. 資本準備金の減少の日程(予定)
(1) 取締役会決議日 平成20年5月15日
(2) 株主総会決議日 平成20年6月26日
(3) 効力発生日 平成20年7月31日(債権者異議申述期間後)

【リンク】

平成20年5月15日「資本準備金のその他資本剰余金への振替に関するお知らせ」株式会社サンリオ
http://www.sanrio.co.jp/corporate/ir/disclosure/detail/49_0515.html

平成20年5月29日「優先株式の強制償還に関するお知らせ」株式会社サンリオ
http://www.sanrio.co.jp/corporate/ir/disclosure/detail/49_0529_1.html