幻冬舎MBO、信用取引で株取得 議決権行使可能?

中堅出版社の幻冬舎が実施中のMBOが揺れている。見城徹社長が出資するSPCによる幻冬舎買収に対して、対抗的買収者として聞き慣れない投資ファンドが登場。MBOに欠かせない株主総会での特別決議が否決できる3分の1超の幻冬舎株を取得した。MBO成立は暗礁に乗り上げた形だが、ファンドは信用取引で大半の株式を取得しており、議決権行使について法的な論点が浮上している。
(日本経済新聞2011年1月31日16面)

【CFOならこう読む】

11月16日「【TOB開示資料抜粋】TKホールディングス・幻冬舎」、12月8日「TTOB中の幻冬舎株、投資ファンドが30.6%取得」及び12月14日「幻冬舎、TOB価格引き上げ」、12月22日「ファンド、幻冬舎株を買い増し 議決権ベースで34.23%に」、12月27日「幻冬舎のMBO価格」のポストの続報です。

「イザベルは、株式の大半を「制度信用取引」で取得しており、1月26日時点で現物株を引き取っていないもよう。この場合、臨時株主総会では信用取引の買い手である立花証券が議決権を持つが、権利行使に当たって制約を受けないかが論点となる」(前掲紙)

論点1:立花証券は顧客であるイザベルの意向に沿って議決権行使できるか?
論点2:立花証券が独自に判断すれば議決権行使をできるのか?

今日の記事はいずれも法的には明らかではないとしています。

もっとも、大証では制度信用取引で株式を買い付けている者が議決権行使はできないと規定しており、論点1及び2がその潜脱とみなされるのであれば、いずれも”できない”ということになるように思います。

臨時株主総会は、2011年2月15日に予定されています。

【リンク】

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