読書メモ

日本電産 永守イズムの挑戦 日本経済新聞社編

日本電産永守イズムの挑戦 (日経ビジネス人文庫 ブルー に 1-32)
日本経済新聞社

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日本経済新聞出版社 2008-04
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【CFOならこう読む】

先日、村上龍のTV番組に永守さんが出ているのを見て、未読であったこの本を読んでみました。
日本電産が三協精機を買収した時に、永守さんが最初に本社で行った訓示がとても具体的で明確なものでした。以下私自身の備忘メモとして書き記します。

1.赤字は罪悪という意識の徹底と計画必達意識の向上
・会社はどんなことをしても黒字であること
・全部門、全事業の黒字化の達成
・決めたこと、約束したことは必ずやり遂げる
・厳しいリスク会議のデイリー開催(時間外開催)
・現場現物主義の徹底(メーカーの原点は現場にあり)
・営業利益率10%が健全経営の最低目標
・キャッシュフロー最重視経営(売上より利益、利益よりキャッシュフロー)

2.社員モラールの向上

(当たり前のことを当たり前にやれる社員集団)
・3Q6S=全職場80点以上(時間外自主活動による)
3Q=Quality Worker、Quality Company、Quality Products
6S=整理、整頓、清潔、清掃、作法、躾
・出勤率=全職場98%以上(まず、休まず遅れずが原点)
・競争力を保持できる年間労働時間への改定
・会議は時間外または休日に開催(緊急は除く)
・一人の100歩より100人の一歩(全員参加の経営)
・日々完結の経営の徹底(今日のことは今日中にして帰る)

3.「経営五大項目プラス二」の徹底管理

・品質=50PPM(百万分の一)<二万分の一の意味>以下
・材外費=最終売価の50%以下
・在庫=0.4ヶ月以下
・生産性=従業員一人当たり百万円/月以上の付加価値高
・経費=一人当たり付加価値高の25%以下(売上1億円当たり5百万円以下)
-売掛金=45日以下(回収は早く、支払いは遅く)
-遊休資産=有効活用の徹底、または売却の強力促進

4.営業マン一人当たりの訪問件数

・営業部門は会社の機関車の役目を果たすこと
・訪問百件/月以上(うち、新規開拓30件以上)

5.三大精神の厳守

(情熱・熱意・執念、すぐやる・必ずやる・出来るまでやる・知的ハードワーキン
グ)
・開発スピード=3倍アップ
・製造部門生産性=2倍アップ
・直間比率=50%改善

6.購買力の徹底強化

(利は元にあり)
・仕入先からの接待や贈答品の受け取りの厳禁
・3~5ステップネゴの徹底(世界一のコスト追求)
・前回比低減の徹底(全員参加によるコストネゴ)

7.実力実績の人事・賃金体系の確立

・学歴・年齢・社歴に関係ない人材登用を実行
・経営感性を持った人物の抜擢
・利益貢献度と業績変化率重視の人事評価の徹底
・競争原理の働いている賃金制度の確立
・グローバル社員の優遇制度の実施
・ぶら下がり社員の再教育と再指導の徹底(怠け者は去っていく、良貨が悪貨を駆逐する社風)

8.スピード感のある決裁体制づくり

・経営幹部が即断即決で方向性を指示
・営業部門と開発・生産各部門の同期体制確立(営業は働いている時間に他の全ての部門が対応、マーケット順応を最重視)
・幹部の率先垂範体制(自ら手を汚す)
・QCDSSS(クオリティ、コスト、デリバリー、サービス、スピード、スペシャライゼーション(顧客の要望を満たした特殊化)を最優先する組織と人事対応
・日本電産グループの全面支援体制(共同購買や販売支援の強化)