公正取引委員会、企業の合併審査改革案公表

公正取引委員会は4日、企業の合併などを前もって相談する「事前相談制度」の廃止を柱とする合併審査改革案を正式に発表した。7月の新制度移行を目指す。法律に基づかない同制度をやめ、届け出後の法定審査に一本化。透明性を向上させたり実質的な審査期間を短くしたりして、国際競争力強化に向けた企業再編を促す。
(日本経済新聞2011年3月5日5面)

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変更内容は以下の通りです。

審査手続きについて

・事前相談制度を廃止
・公取委が論点など説明
・審査結果を通知・公表

審査基準について

・ユーザーが世界各地から調達先を選んでいればシェアを世界市場で判断
・輸入実績がなくても海外品からの競争圧力を考慮
・類似の競合品市場も競争圧力として考慮
・継続的な赤字事業であれば寡占度が高くても容認

「公取委は国際化した企業活動に対応する姿勢を示したが、判断基準そのものが変わったわけではない。日本企業の国際競争力を強める産業再編につながるかは未知数」
(根岸哲教授 前掲紙)

というより、グローバル企業の独占・寡占の判断を個々の国の行政機関が行うという制度が限界に来ているのだと思います。例えばOECDが主導し、世界共通の基準を設定するという方向性が望ましいと、私は思います。

【リンク】

2011年3月4日「企業結合規制(審査手続及び審査基準)の見直し案に対する意見募集について」公正取引委員会 [PDF]