レバレッジは貧しくなる道であるーウォーレン・バフェット

ウォーレン・バフェットの手紙は、たくさんのジョークが盛り込まれており楽しく読める。それでいて、マーケットの投資に関する鋭い洞察にあるれている。
(日経ヴェリタス2011年3月13日56面)

【CFOならこう読む】

地震の影響で大変ですが、こういう時こそ自分のやるべきことをできるだけいつもと同じように淡々とやることを心がけようと思います。

ウォーレン・バフェットの手紙は企業財務に関しても示唆に富むことが書かれていることが多いのですが、今年の手紙には次のようなことが書かれています。

「当然ながら、借りたお金を投資してかなり裕福になる人はいます。しかし、そうしたやり方はまた、とても貧しくなる道でもあるのです。レバレッジがうまくいく時は利益が大きくなります。配偶者はあなたのことを賢いと思い、隣人はうらやましがるでしょう。しかし、レバレッジは癖になるのです。この驚くべき手法でひとたび利益を上げた経験を持つと、ほとんどの人は保守的なやり方に戻りません」
(前掲紙 バフェットの手紙)

MM理論によれば、法人税等の影響を除けば、資本構成は企業価値に影響を与えませんが、債権者と株主間における富の移転は生じます。

日本企業の経営者はレバレッジを嫌う人が多く、その意味で資本構成を変更することで株主価値を改善する余地があるわけです。

だたし、バフェットの言う通り、高過ぎるレバレッジは財務破綻の可能性を高めるので、企業は常に自社の最適資本構成を模索する必要があるのです。
金融緩和の影響でキャッシュが余ってきているので、CFOのところには様々な投資案件が舞い込んでいると思いますが、レバレッジの誘惑にはくれぐれも慎重に!

「たとえどんなに素晴らしい数字を掛け合わせていっても、1つのゼロを掛けるだけで、すべてが消えてしまうのです。歴史が示すように、レバレッジで数々のゼロが作り出されてきました。とても利口な人たちが手掛けている場合でもそうです」
(前掲紙 バフェットの手紙)

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