ソフトバンク、証券化調達資金借り換え

ソフトバンクが今秋までに国内外の金融機関約20社からの協調融資で5500億円を調達する見通しだ。2006年に携帯電話事業を買収した際、事業収益や資産を担保とした「証券化」の手法で調達した資金を借り換える。携帯電話事業で稼いだ資金を他の事業に回せない条件での調達だったが、借り換えで資金の使い道を自由に決められるようになる。
(日本経済新聞2011年6月30日15面)

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「協調融資は期間3年超の無担保で金利は1%台となりそう。みずほコーポレート銀行が主幹事となり、三井住友銀行やドイツ銀行などが参加する。証券化で調達した資金は金利5%台と高かった。借り換えで返済期限などの条件も代わり、支払利息は年100億円~200億円程度減る見込み」(前掲紙)

証券化というのは、証券化の対象となる原資産のキャッシュフローを、コーポレートのリスクから切り離し、トリプルAの格付け(日本の国債の格付けを超えられないとするとダブルA)を取得することで、低コストの資金調達を実現する手法です。

ボーダフォン買収時点での事業リスクは相当に高かったとは思いますが、証券化からコーポレートローンに切り替えることでここまで金利が下がるというのは、日本の金融のいびつさを表わしているような気がします。

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