トヨタ、車体メーカー2社を完全子会社化

トヨタ自動車は13日、東証1部に上場する子会社の車体メーカー、トヨタ車体と関東自動車工業を2012年1月に株式交換で完全子会社化すると発表した。円高が定着する中で国内生産300万台体制を維持するため、生産受委託の関係から一歩踏み込む。
(日本経済新聞2011年7月14日1面)

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「今回の再編で「各社が得意とするモデルを一貫生産して競争力を強化し、中部、九州、東北の3極体制を築く」(豊田社長)。本社周辺の中部地区を新技術や新工法などの開発拠点を、九州を「レクサス」ブランドなどの生産拠点、東北を小型車と部品の生産拠点、東北を小型車と部品の生産拠点と位置付け、役割分担をより明確にする」(前掲紙)

12日の終値ベースで簡易的にプレミアムを計算すると次のようになります(正しくは、合併や株式交換の場合、新株発行により希薄化が生じるので、これを勘案してプレミアムの計算をする必要があります)

12日の終値
トヨタ自動車 3,355円 トヨタ車体 1,320円  関東自動車 777円

株式交換比率
トヨタ自動車:トヨタ車体=1 : 0.45
トヨタ自動車:関東自動車=1 : 0.25

理論株価
トヨタ車体=3,355×0.45=1,509円
関東自動車=3,355×0.25=838円

プレミアム
トヨタ車体=1,509 ÷1,320-1=0.143=14.3%
関東自動車=838÷777-1=0.078=7.8%

なお、両株式交換とも、トヨタ自動車においては、会社法第 796 条第3項の規定に基づき、簡易株式交換の手続により
行われるので、株主総会による承認は省略されます。

【リンク】

「トヨタグループ、『日本のモノづくり』強化に向けた新体制-トヨタ車体と関東自動車を完全子会社化、東北 3 社統合に向け協議開始-」 [PDF]