円高による日本人の雇用の二極化

・円高は雇用問題を伴うがコスト減など利点も
・中間層の大量消費市場での価格競争避けよ
・市場効率化で資本所得増やし大増税回避を
(日本経済新聞2011年9月9日27面 経済教室 小幡績慶応義塾大学准教授)

【CFOならこう読む】

小幡さんは円高による日本人の雇用への影響を次のように分析しています。

「円高のデメリットは雇用への影響である。国内従業員の海外への配置転換や海外と同水準の賃金が不可能ならば、雇用の縮小を迫られる」(前掲稿)

円高により、相対的に海外で雇用する方が安いので、国内の雇用の縮小を迫られる、ということです。

「円高に伴う雇用調整とは、日本での雇用縮小という単純な量の問題ではない。日本人の雇用は二極化し、両者の差は拡大する。グローバル経営者の価値は大幅に高まり、これまで蓄積したノウハウを世界各地で指導する社員や独自の研究開発ができる社員の価値も高まる。
一方、生産委託コストで判断される社員の価値は、以前より低下したグローバルコスト価格となる」
(前掲稿)

二極化の影響はCFOにとっても無関係ではありません。
CFOとしても、単なる経理業務に留まる限りその価値はいずれ後者の価値に収斂するので、前者を目指すべきということになるのです。

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