日本企業による海外企業のM&A活発化

日清紡ホールディングスは26日、自動車ブレーキに伴う摩擦材で世界に2位のTMDを買収すると発表した。買収額は約4億4千万ユーロ(約450億円)。摩擦材で世界4位の日清紡は、買収により首位に立つ。アジア市場に強い日清紡は欧州や南米に強いTMDを傘下に収めてグローバル化を進める。円高を利用して海外に活路を求めるM&Aが加速してきた。
(日本経済新聞2011年9月27日9面)

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最近の日本企業による主な海外の企業のM&Aは以下の通りです。

武田薬品
スイスの製薬会社、ナイコメッド(チューリッヒ)を96億ユーロ(株式価値+純負債)で買収

アサヒグループホールディングス
マレーシアの清涼飲料2位ペルマニスを820百万マレーシア・リンギット(RM)(約216億円)で買収
ニュージーランドと豪州で酒類事業を展開するインディペンデント・リカー・グループを1,525百万ニュージーランドドル(約976億円 )で買収

ユニチャーム
ベトナムの乳幼児用、紙おむつと生理用品大手ダイアナを買収

日清紡の鵜沢社長は、

「6重苦(円高、高い法人税、労働規制、環境制約、FTAの遅れ、電力不足)のある日本で投資するリスクは大きい」(前掲紙)

と述べています。

空洞化に伴う失業率の上昇が心配です。

【リンク】

2011年9月26日「゙レーキ摩擦材メーカー TMD Friction Group S.A. の株式取得(子会社化)に関するお知らせ」日清紡ホールディングス株式会社 [PDF]

2011年05月19日「Nycomed社の買収(子会社化)について-グローバルでのさらなる成長に向けて-」武田薬品工業株式会社

2011年07月21日「マレーシア飲料会社の買収に関する株式売買契約締結のお知らせ」アサヒグループホールディングス株式会社

2011年08月18日「ニュージーランド・豪州酒類会社に関する株式売買契約締結のお知らせ」アサヒグループホールディングス株式会社

2011年8月25日「ベトナム Diana JSC の 95.0%株式取得について」ユニ・チャーム株式会社 [PDF]