MBOにより今年15社上場廃止、過去最高ベース

MBOによる上場廃止に動く企業が増えている。今年1月-9月のMBOは15社で、昨年の実績を上回った。2011年暦年では3年ぶりに過去最高を更新する公算が大きい。業績が悪化した企業が金融機関の後押しを受けて、経営改革を機動的に進めるのが狙いだ。上場の負担が重いためにMBOが増えている面もあり、投資家の株離れを招くとの声も出ている。
(日本経済新聞2011年10月5日4面)

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「ワークスアプリケーションズや日本医療事務センターなどのMBOには、投資ファンドが参画した。安い株価水準で投資して企業価値を高め、将来の再上場などで利益を得るのが目的だ。MBOには多額の資金が必要だが、「銀行も利ざやの厚い買収資金の提供には積極的になっている」(ファンド調査会社)という。だが金融機関が深く関与するMBOにはリスクもある。野村証券の西山賢吾シニアストラテジストは「上場廃止後にファンドや銀行の発言権が強まり、改革がうまくいかないと、経営陣が退陣を求められる可能性もある」と話す」(前掲紙)

MBOの本質は、「買収ファンドが相対的に小額の自己資金を株式に投資して、残りの(大半の)買収資金をノンリコース・ローンで調達するLBOの一形態」
(服部暢達「M&A最強の選択」)というところにあります。

買収ファンドはレバレッジを効かせることで、IRR20%というようなハイリターンを狙います。そのためには短期間で業績を改善しExitする必要がありますから、改善が速やかに行われなければ、当然経営陣は退陣を求められる可能性があります。

これはリスクというより必然です。経営陣はそこのところを良く理解した上でMBOに向かう必要があります。

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