新規市場底入れの兆し

国内株式市場で新規上場に底入れの兆しが出ている。今年は10月末までに25社が上場し、昨年1年間の22社を上回る。スマートフォンや医療・医療関連の
新興企業の上場意欲が強く、今年の年間上場社数は35~40社に達するとの見方が多い。日本経済や株式市場の停滞を象徴していたIPO市場だが、最悪期を脱しつつある。
(日本経済新聞2012年10月13日1面)

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「けん引役は、スマートフォンやSNSなどの成長市場でビジネスを展開する企業だ。手ぶれ防止などの携帯電話用カメラの画像処理ソフトウェアを開発するモルフォなどが上場。28日には電子書籍販売のイーブックイニシアティブジャパンが上場する」
(前掲紙)

直近では、恋愛ゲーム「恋してキャバ嬢」等のSNS(交流サイト)向けゲームを提供するKlabが公募価格1,700円(予想PER14.7倍)、初値3,970円(予想PER34.3倍)と価格面でも最悪期を脱した感があります。

米フェイスブックは、2012年末にIPOを延期するようですが(9月14日英フィナンシャル・タイムズ)、それに合わせる形で来年からさ来年にかけて一気にIPOバブルが膨らむ可能性もあります。バブルはいずれはじけますが、はじけた後も成長を続ける会社がいくつかは残るわけで、だからこそその期待からバブルは膨らむのです。

IPOに向かう企業側は、バブルに踊らせれることなく、長く成長を続ける企業となるべく地道に努力し続けることが肝要であろうと思います。資本政策上、成長シナリオが要求されるのですが、絵に描いた餅は食えません。重要なのは、ビジョンと成長戦略とそれを実現させる経営者の強い意志とリーダーシップです。

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