ワタミ、有利子負債今期末3割減

ワタミの2012年3月期末の連結有利子負債残高は132億円程度と前期末と比べて3割程度減る見通しだ。高齢者向け介護、弁当宅配などの事業が好調で、改善したキャッシュフローを借入金の返済に充てる。2013年3月期中には有利子負債から手元預金を差し引いた金額をゼロとし、実質無借金とする計画を立てている。
(日本経済新聞2011年11月29日15面)

【CFOならこう読む】

「ワタミは期初時点で、東日本大震災で先行き不安感が増したとして手元資金を潤沢にする方針を掲げた。だが、介護と弁当宅配事業が想定を上回って好調なため、有利子負債の削減を優先することとした」(前掲紙)

期初時点の不確実性は減じたため、当初計画通り有利子負債の返済を進めることにした、ということです。欧州の金融不安が深まる中、新規の資金調達は実行し難いところですが、一方で復興需要もあり頭を悩ませているCFOも多いことと思います。しかし銀行を頼りにできない現状では、自社のキャッシュフローを超えない範囲で経営を行なうワタミのような方向性を基本とすべきかも知れません。

【リンク】

なし