MBOで上場廃止最多

MBOで上場廃止になる企業は2011年は19社と、3年ぶりに過去最高となる。
(日本経済新聞2011年12月14日5面)

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「業績が悪化した企業が迅速に事業の見直しを進めたり、内部管理体制の拡充など上場維持に必要な費用を節約するのが狙い。株安で新規上場を目指す企業も低水準にとどまっており、投資家の株離れを加速する懸念もある」(前掲紙)

MBO(経営陣が参加する買収)と言うと本質が良く見えなくなります。MBOというよりLBOという方が実態をよく表しているように思います。
多くのMBOは、(オーナー)経営者が一部又は全部を出資した会社が、対象会社のキャッシュフローを返済原資とした借入を行い、この資金により対象会社を買収するという形をとります。

今日の記事には三條機械製作所とヤマトマテリアルが取り上げられています。

三條機械製作所のMBOは、代表取締役社長である村田氏等により設立された村田商事により行われます。買付総額約70億円の全てを三井住友銀行からの借入により調達しています。
平成23年3月現在の三條機械の株主資本は105億円、総資産152億円、そのうち47億円が現金預金です。

一方、ヤマトマテリアルのMBOは、代表取締役社長で森川氏等により設立された森川ホールディングスにより行われました。買付総額約22億円の全てをみずほ銀行からの借入により調達しています。
平成23年3月現在のヤマトマテリアルの株主資本は32億円、総資産72億円、そのうち36億円が現金預金です。

瓜二つのこのディールが、日本のMBOの典型的な姿です。

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