【資本政策詳解】ネクソン
ネクソンの株式上場の概要は次の通りです。
ネクソンは、2002年設立、オンラインゲームの制作、開発、配信を行っている企業です。
公募価格は1,300円、予想PER17.9倍という水準での株式公開となりました。
ネクソンは、1994年に設立された旧ネクソン・コーポレーション(現エヌエックスシー・コ ーポレーション)からスタートしています。日本への進出は、2000年9月に旧ネクソン・コーポレーション(現エヌエックスシー・コーポレーション)がソリッ ドネットワークス株式会社(旧株式会社ネクソンジャパン)の発行済株式の50%を取得したことから始まっています。
2005年1月に旧ネクソン・コーポレーション(現エヌエックスシー・コーポレーション)とソリッドネットワーク ス株式会社(旧株式会社ネクソンジャパン)が資本提携を解消したことにより、当社がソリッドネッ トワークス株式会社(旧株式会社ネクソンジャパン)からオンラインゲーム事業を譲り受けし、日本 におけるオンラインゲーム事業を本格的にスタートしました。
旧ネクソン・コーポレーション(現エヌエックスシー・コーポレーション)は、2005年年10月11日に、オンライ ンゲーム事業を会社分割により韓国の新ネクソン・コーポレーション(現ネクソン・コリア・コーポレーショ ン)に移管するとともに、同年10月28日に、同社の全株式を当社に譲渡しました。以降、同社は当社の親会 社としてゲーム事業以外の投資事業を行い、オンラインゲーム事業については、当社が事業持株会社として、日 本国内のゲーム事業を行うとともに、海外の関係会社を管理しています。
従来、韓国事業会社が親会社であったのを、組織再編により、日本の会社(ネクソン)の子会社としてます。コーポレートインバージョンにより、日本に親会社を作った希有な例と言えます。
売上高のうち80%以上を海外売上高が占めています(韓国と中国合わせて60%超)。それだけに何故日本で上場するのだろうという疑問が浮びますが、この点崔社長は、次のように答えています。
「韓国はもちろんのことナスダックや香港も上場先として検討はしましたよ。ただ先進的なゲーム市場と世界トップレベルの国際的な資本市場という2つを兼ね備えているのは日本しかないという結論になりました」(日経ヴェリタス2011年12月18日20面)
予断ですが、売上の多くを海外で稼いでいるため、実効税率は27.1%と低い水準を維持しています。
2011年7月に現物出資による第三者割当増資が行われています。
抜け殻方式で作られた持株会社であるエヌエックスシー・コーポレーションが上場後も50%超の持分を維持する資本政策となっています。
従業員のインセンティブは主にストックオプションによっています(潜在株式の割合5.91%)。
海外のベンチャー企業が日本でこれだけの規模のIPOが出来るのですから、日本のベンチャー企業も負けずに頑張ってもらいたいものです。