シャルレ株主24人が損害賠償提訴

女性下着販売「シャルレ」(神戸市)の個人株主ら24人が22日、創業家一族の前社長を中心とした旧経営陣による自社買収(MBO)の失敗で株価が下落し損害を被ったなどとして、同社と前社長ら5人に計約3億3000万円の賠償を求め東京地裁に提訴した。
毎日.jp 2009年5月23日

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「シャルレのMBO失敗は異例の展開だった。開示文書によると、創業者側が2008年9月、MBOを目指し1株800円でシャルレ株のTOBを表明。社外取締役を中心とする取締役会もTOBに賛同表明した。
しかし10月、創業者側がTOB価格を低く抑えるよう不適切な圧力を会社に加えたことなどが内部通報で発覚。同社が開示したTOB意見表明報告書に詳しい経緯は載っていなかった。
不祥事の発覚で同社取締役会は12月、TOBへの賛同を撤回。買付価格近くまで上昇していた株価は急落し、現在は300円程度で低迷している。800円近くで株を買った原告側は「創業者側と社外取締役の不適切な行為がなければ株価は下落しなかった」と主張。会社法の規定などに基づき、取得価格と売却価格などとの差額を請求する」
(日本経済新聞2009年5月23日14面)

本件では、価格決定に関し創業者側から圧力があったにも関わらず、これらの経緯を「賛同意見表明書」に開示せず、一旦賛同意見を表明した後、不祥事の発覚後、取締役会が賛同を撤回するに至ったというそのプロセスが問題とされており、このプロセスそのものに取締役の重過失が認められるかどうかが争点になるものと思われます。

どのような経緯で賛同意見を撤回するに至ったかについては、平成20年12月3日「公開買付者らからの「公開買付期間の延長及び公開買付開始公告等の記載内容の訂正に関するお知らせ」について 」株式会社シャルレ[PDF]に詳細に記載されています。

これを読む限り、社外取締役にも責任があることは間違いないと思います。

【リンク】

平成20年12月3日「公開買付者らからの「公開買付期間の延長及び公開買付開始公告等の記載内容の訂正に関するお知らせ」について 」株式会社シャルレ[PDF]