米買収ファンド復調

金融市場で買収ファンドの存在感が増している。欧州債務危機などで金融全般が苦戦を強いられるなか、ファンド勢は年金資金の流入増で運用資産が拡大。2011年のM&A総額のうちファンドによるものは前年より32%増え、全体の伸び(7%増)を大きく上回った。
(日本経済新聞夕刊2012年1月23日1面)

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「世界の金融機関が欧州資産の圧縮に追われるのを横目に、果敢な投資に踏み込むブラックストーン。長期投資を前提にするファンドにとって、株価や資産価値が大きく下がった局面は絶好の投資機会となる」(前掲紙)

大前研一氏が『お金の流れが変わった』で指摘しているように、ブルドックソース事件以降、ファンドマネーは日本市場に背を向けた状況が続いています。

「「日本にはホームレス・マネーが来ない、と述べた。その契機となったのが、ブルドックソースのポイズンピルを認めたあの最高裁判決だといっていいだろう。事実あれ以来、外資は日本の市場に背を向け、世界のマネーはぱったり日本に入ってこなくなった。」(139頁)

しかしPBR1倍割れの企業がごろごろしている日本市場は買収ファンドにとって魅力的に映るはずで、オリンパス事件等を契機に日本企業のガバナンスが改善することが期待されるなか、外資に限らず買収ファンドが日本市場で再び勢いを盛り返す可能性は十分にあると思います。

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